米国けんきゅうにっき 2008年03月
学位取得後、研究者として米国へ。このさきどのようなことが待ち受けているのでしょうか?
 今日は日曜日。昨日は速度論の実験で結構遅くまで仕事をしていたため、金曜日にとどいたブツの設定をできないでいた。そう、とうとう長年の夢だったカラーレーザープリンタ(CLP)を購入したのだ。まず何故に個人でCLPが必要なのかを説明しよう。ウチのラボはこーいったオフィス用品が乏しい。モノクロのレーザープリンタはあるのでそんなに困っていなかったのだが、最近は論文もカラーが当たり前になり、しかも結構、図とかでも色分けされていたりしてモノクロだとナニを言っているのかわからないことが多々あった。それならカラーのインクジェットでもいいのでわ?と思われるかもしれない。しか~し、インクジェットはあんまり使わないとインクが固まってしまい、たとえカートリッジにインクが残っていても新しいカートリッジに交換しなければならない。すなわちムダなのだ。一方、レーザープリンタは長期に渡り使用していなくても、そういった問題はない。しかも印字はキレイだし、印刷物は湿気に強いという利点もある。

 実は東海岸にいたころにモノクロのレーザープリンタを購入している。HPの一番安い機種なのだが、AppleのAirMac Expressを利用してネットワークプリンタとして使用している。コレは買った当時はたしか$199だったのだが、さすが個人で利用してきたので、いまだにトナーの交換をしたことがない。またいまだに印字品質は当初のままだ。だからヘタにインクジェツトプリンタを買うよりは、レーザープリンタを買った方が、個人的にはランニングコストが良いような気がするのである。

 逆にインクジエットプリンタは日本にいたころに使っていた。たしかAppleのStyle WriterとEpsonのカラリオシリーズの一番安いヤツ。いずれも長期に渡り使っていないとインクが干上がり、印刷可能枚数よりも遙かに少ない枚数しか印刷していないにもかかわらず、カートリッジを購入した記憶がある。(だからその後はたしかアルプス電子の熱転写型のカラープリンタを買った気がする。これは印字品質もよくインクジェットの様なインクの乾燥という問題もなかったのだが、インクリボンカートリッジのランニングコストがよろしくなかった。たしか生産中止になったはずだ......)そんなワケでインクジェットプリンタにはまったく良い印象がないのである。

 今回、購入に踏み切った理由はある通販サイトで$100ディスカウントの上に送料無料というオファがあったため。機種はBrotherのHL-4040CNというやつでネットワークプリンタだ。地元のStaplesで同じモノが$400で売っていたが、ワタシは$275で購入した。上記のHPのHP1012と比べてもそんなにかけ離れた値段ではない。また確認のためトナーの値段も調べたがカラートナーでそれぞれ$47、ブラックが$40というように思ったほど高くないのである。(実際、個人ユースで何千枚も印刷するとは思えない)

brother001.jpgbrother006.jpgbrother007.jpg
シールをとくまえコンソール部のLCDメモリの増設も可能


 あえて欠点をあげるとするならば、デカくて重いことだろう。特に主さは70ポンド(約30キロ)近くあり、一人で持ち上げるのはちょっと推奨しない。それでもおそらく多くのCLPのウチではコンパクトにまとめられているのではないだろーか?実際、HPのCLPは妙に高さがある。これは印字ドラムが垂直に配置されているために高さを抑えられないのだとか。一方、このHL-4040CNはドラムが水平に配置されている。

 ところでこのプリンタ、インクジエットでは定番のPictBridge機能をもっている。これはデジタルカメラなどからプリンタに直接、データを渡して印刷するプロトコルなのだが、どちらかといえば個人的利用の規格だろう。そんな機能が付いているとゆーのはちょいと場違いな気がするのだが......

 またメモリの増設も可能である。一般的なノートPC用の144pin SO-DIMMが利用できるとのこと。標準で64MBが搭載されているが、高解像度の印刷(2400dpiまで可能)をする場合に増設が推奨されるようだ。またPostScript3互換コマンドを搭載している。

brother002.jpgbrother004.jpgbrother005.jpg
オレンジのピースはシールトナーとトナーを装着したところ


brother008.jpg 付属のドライバはよく洗練されており、ルーターにイーサーネットでつながっているこのプリンタをほとんどオートで見つけてくる。なんにして設定は簡単の一言だ。実際、通販サイトのレビュアーコメントでもこのプリンタをけなしているヒトは居なかったというのもうなずけるのである。印字も速く、仕上がりもきれい。まさに(重さ以外)非の打ち処のないプリンタだと思う。

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【2008/03/30 21:53】 | コンピュータ
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Vistaの予感
cooyou
うん、やっぱり安いと思うよね?トナーのランニングコストを鑑みても。実際、大分で買ったインクジェットのインクは1年たらずで使えなくなったし。(たぶん20枚くらいしか印刷してない......)

ところで今、Vistaをインスコしている。思ったよりサクサク動くよ、これ。あとでブログで詳細をさらしておきます。

日本では購入にためらう値段
ロンポン
性能面はかなり魅力を感じるな。
でも価格コムで44,500なので
君のように安く買えないのが残念だ。

俺のやつはインクジェットのFAXプリンタで
ブラザー製だからかカラーインクセットで5000円かかる。
使ってなくてもやっぱり固まってしまいだめになるので
1年に最低1.5回は購入している。
トータルで考えるといいよなあ トナー1つでどんだけもつか考えると4,5年かなあ?

もっともうちの場合は置き場所の関係で小さくないと困るので
そのへんでNGではあるのだが。


laxumi's blog
素敵なブログですね^^

たまたま通りかかったので
コメントさせていただきます

私のブログの方も
ランキング状況だけでも
見ていただければ 御の字 ですw

失礼しました




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 一昨日、昨日と2005年にノーベル化学賞を受賞したSchrock教授の講演がMSUであったので聴いてきた。Schrock教授といえば錯体の分野では教科書にも出ているSchrock型カルベンで有名だが、ノーベル賞の受賞に伴い一般の人たちにもその名前が知れ渡ることとなる。化学科での講演はバリバリの有機金属がテーマだったため多くのMSUの学生やポスドクはつまらなそうにしていた。(改めてMSUの化学科は合成系があんまり強くないなぁ......)逆にロッキーミュージアムで行われた一般向けの講演は聴講者みんなが楽しめたのではないだろーか。少なくともノーベル賞の授賞式の様子をユーモアをまじえて説明してくれたのはなかなか興味深かった。特にスウェーデン王室による授与式の写真は学者として感慨深い。なにがそういう感情に走らせるのかといえば、学者はある意味、”オタク”なわけである。そんなヒキコモリ系がもし突き詰めれば最上の頂にたどり着けることができるかもしれないという道をSchrock教授が示してくれたよーな気がしたから。もちろん自分がそんな場所にたどり着くとは思っていないが、ちょっと荘厳な気分にさせてくれた写真であった。
 他にも教授のお母様が聴講されていた(どーもBozemanに住んでおられるらしい)。授賞式にも参加されている様子の写真が講演で出てきており、教授の昔話にたいしてしきりにうなずいておられた(ワタシの席から比較的近くに座っておられました)。さぞかし誇りに思っていることだろうし、すごい親孝行だよね。
 とにかく刺激的な講演であった。実は2004年のPhiladelphiaで開催されたアメリカ化学会の年会で同時受賞者のGrubbs教授の講演も聴いたことがあるのだが、今回の講演の方が印象に残りました。

 ハナシはかわって血液検査である。前回の検査では血清中の鉄イオン濃度が標準値よりすこし高いということだったので、これを再確認するために行ったワケであるが......さて結果は、ふたたび高い血中鉄イオン濃度を叩き出したorz そもそもどこから鉄分を摂って居るんだ?(どーもアルコールらしい......)医者のコメントでは十分健康でるというものだったのだが、これはおそらくアメリカ人基準であろう。
 今回はこの鉄イオン濃度に加えビリルビン濃度も少し高かった。これはポルフィリン環が開裂してピロールが鎖状になったもので、キレート能はないらしい。まあ鉄イオンの増加という結果と一致しているね。でも前回は標準値内だったので注意していなかったのだが、今回のビリルビン濃度は上限をすこし上回る程度であったので、次回はまた変動するかもしれない。

 鉄イオンが過剰にあるばあい、よく知られているものにヘモクロマトーシスという疾病がある。主に白人の遺伝病らしいのだが、後天性のものもあるようだ。これは血清中の過剰鉄イオンが各臓器に負担をかけるというものであり、加齢とともに注意が必要になってくる。ちなみにワタシの血の色は結構、鮮やかに赤いのだが、ヘモクロマトーシスのヒトの血はもっと茶色っぽくなるらしい。まあ気を付けるということだな。

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【2008/03/28 12:57】 | 生活
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2008_0323_Montana0002.jpg 先週にカツを10枚揚げたので、これからしばらくカツ丼の予定。今日のお昼はカツ煮込み丼にしてみた。余っていたしらたきを一緒に煮込んでしばらく放置。その上に溶き卵をのっけてさらに煮込む。最後にご飯の上にのせてゴマをまぶしてできあがりである。ちなみに明日のお弁当もカツ丼の予定だ。

 さてワタシは以前にiPAQを利用したGPSを使っていたのだが、古い機種ということもありよく走行中にフリーズしていて肝心の場面で使えなかったりしたものである。(Seattleに行ったときとかはずいぶんと役には立ったのだが......W. YellowstoneからBozemanに戻るときに園内を通過する区間があるのだが、ここの制限速度は50マイル。このGPSではこのときまだ公園の外だと思い、80マイルでとびこんでしまったため、パークレンジャーにチケットをきられた......)まあはっきり言ってワタシ自身、道を覚えるのは得意な方なのでGPSはあんまり必要ではない。その上、モンタナなんぞ郊外にでてしまえばはほとんどまっすぐの道が続いているだけなので、迷う心配もあまりない。なのだがそれと相反してワタシはでじたるがじぇっとに異常な愛情があると思っている。そんなワケで(どんなワケで?)GPSを購入した。

 なんだかウェブの通販サイトを眺めていると妙に安いくせにカスタマーレビューアーがだれも悪いことを書いていないGPSがあった。それがこのXROAD V4150という機種である。このXROADという会社、本社はどーやら韓国にあるらしく、最初は購入を躊躇していた。(韓国のデジタルガジェットにはあまり良い思い出がない)しかしココは米国の消費者の目を信じて買うことに。

2008_0320_Montana0001.jpg2008_0320_Montana0004.jpg
化粧箱はなかなかイイカンジ筐体デザインは日本人らしい


 結果からいえば、コイツはかなりいい。値段($150)以上の価値がある。実際、ワタシがオーダーしたすぐあと位にその通販サイトでは品切れになっていたから、なかなかの人気商品なのかもしれない。機能はGPSのエンジンとしてSiFR StarIIIを搭載しているそーだ。これはかなり精度の高い測位をするらしい。またマップは2D/3Dの切り換えでOSはMicrosoft WinCE.Net Core Version 5.0を積んでいる。プロセッサがSamsung S3C2440/400MhzでGPSから得られた情報を地図にリアルタイムに書き出す速度はかなり速いと思った。(以前のやつと比べてね)また時刻情報をGPS側から取得するらしく地図のグラフィクスも日の入りと共に暗い色彩の地図になる。これはiPAQ+Pharosでは手動切り換えだったのだ。

 不満点といえば2つある。まずビルトインのアンテナの感度がすこしよろしくないかな?室内だと衛星情報を拾得できない。ただこれは外部アンテナを使うとまったく違う。別売りなのですこしコストがかかるが(たしか$29)、XROADの起動の間には衛星情報を完全に取得しており、iPAQ+Pharosの様に待つ必要はない。もう一つは付属品にACアダプターが付いてこないため、シガーソケットでしか充電ができなことだ。まあこれはGPSのみに使うというのであれば全く問題はないのだが......

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暗くなってからの起動状態


 ACアダプターがないと不満に感じる理由はこのV4150の多機能さにある。まず2GBまでのSDカードに対応したスロットを持っており、この4.3インチの液晶に動画や写真を出力できる上に、mp3ファイルを再生できるのだ。つまりマルチメディアプレイヤーなのである。走行中に使おうとは全く思わないが、家で寝っ転がりながら映画とかを見ることができるわけだ。(iPod touchもそうだけどこちらはもっと大画面というのがアドバンテージ)また助手席のヒトが暇ならば、これで映画を見ていればよいのだ。

 さらにBluetoothを内蔵している。米国の現在のケータイはほとんどがBluetoothのペアリングに対応している。そのためこのGPSとペアリングすることでハンズフリー通話も可能となる。

 以上のように多機能さがウリなわけだが、実際にこれを使って町中をかるく走行してみたところ、かなりの精度だと思った。またこんな田舎にもかかわらず地図もそれなりに新しいと思う。3Dマップのスクロールももの凄くスムースだし、液晶の視認性もかなり良好。ワタシはこれまでつかったGPSのなかでは(とはいっても4機種くらい?)、一番、デキがよいと思った、もちろん技術の進歩もあるんだろーけどね。

 都市部に居るヒトはオプションでだがFM Radio Data Systemを利用したリアルタイム渋滞情報も取得できるそーだ。ま~モンタニアンにはカンケーないけどね。ああ、あとこれと同型機種が日本でも売られている。どーも地図ソフトさえ入れ替えれば日本でも使えそうだ。

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【2008/03/23 23:21】 | ケータイ
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 ああ、タイトルのコイは当て字だから。

 今日もラボに出ている。火曜からずっとかかりっきりでいるタンパク質の精製だ。今週は木曜日の早朝に血を抜かれたり、金曜の午後に来期の大学院生のColinくんの相手をしたりと途中で実験のスケジュールをやたらと寸断された週だった。特にナニが自分をイライラさせたかといえば同僚のDのDQNぶりだ。(注意、ココから愚痴ですので、読むに値しない内容デス)

 まずナニがムカツクかといえばそのColinくんの相手をしていたときだ。その日は精製の第3段階だったのだが、2時半から3時までそのカレの相手をすることをラボマネから告げられていたのだ。(ラボマネは授業でBillingsに行っていたので、ワタシが代打したのである。)で、まずColinくんにラボの中を簡単に案内してから、ウチでの研究内容を簡単に紹介しようということで、暇そうにしていたDに"5分間で簡単に自分の研究を紹介してくれ"と頼んだ。スデに時間が超過することを見越していたので短めの時間を言い渡したのだが、ヤツは15分まるまるつかいやがった。カレのスケジュールでは3時には次のラボに行かなければならないので、ワタシの紹介はたったの3分だった。いい加減、時間をうまくつかってしゃべってくれよ、それだって能力の一つだぜ?本人はどーおもっているか知らないが、4年生にそんなこまいことまでしゃべってどーするよ?それでドコかの大学のレクチャーをしたいとかぬかしているワケだが、ワタシが学生ならば遠慮したいね。

 さてコレは今週の始めの出来事。FPLCの順番待ちがやってきたので、喜々としてタンパク質導入用のスーパーループを組み立てる。ちなみにこのスーパーループ、10mLの体積がある円筒形のガラスの管であり、4Mパスカル(大気圧が0.1Mパスカル)の圧力まで耐えられるようになっている。彼女は先週にサイズ分取のS200というカラムをつかってこのFPLCでタンパク質を精製していたのだが、スーパーループを洗浄する際に、このガラスにヒビをいれやがったわけだ。(そもそも上記の様に簡単には壊れないのだが。)こうしてDによって半壊させられたスーパーループだがまあまだ使えるだろうという現場レベルでの判断で代替品をオーダーしていなかった。ワタシがMonoQというイオン交換カラムを使うときどうしてもタンパク質を導入するのにこのスーパーループを使わなければならない。MonoQは樹脂がものすごい密度で充填されているため、5Mパスカルまで耐えられる様になっている。だから人力ではタンパク質の導入は不可能なワケだ。懸念していたのは、このスーパーループ、ヒビが入っているので構造上、もろくなっているハズ。もしかしたら2Mパスカルあたりでも耐えられないんじゃないかな~、と思ったら、案の上、ヒビがでかくなってきた。これをFPLCメンテ担当のKimに告げると、そのDもやってきて言うに事欠いて、”ワタシが使ったときよりもヒビを大きくしている"とのたまうわけだ。テメーの仕業だろーが\(*`∧´)/ と思ったが、ココはおさえる。結局、コイツは廃棄とゆーことで代替品をオーダー、$470だそーな。ワタシはこのおかげで実験のスケジュールが遅れるトユー事となる......

 さて以前も話したが、水曜の夕方に抄録会をしている。なんだか知らないがDのたくらみで来週の担当になったので、論文を物色していた。で、ふと背後に気配を感じると思うとDがいるのだが、そこで論文の話に。ヤツが前回、選んできたのは10年以上まえの論文だったので(すでに教科書にのっているよーな内容)、もうちょっと新しいのを探してくるように促した。もちろん、とっても興味があってその論文を紹介したいとゆーのならかまわないのだが、それならそれで引用されている論文を複数読んだり、続報を探してきたりとゆー努力がほしいところ。理想をいえば抄録会の場で質問されたことに対して答えられるくらいの下調べをしてほしいワケだ。だが、いざ前回の抄録ではろくに調べていないように見受けられた(一通り、論文の内容をトレースしただけ)。それ故の意見だ。ワタシだって抄録の論文を紹介するときは、関連・引用論文の数報に目を通す。それを言ったら、D曰く"ワタシたちはそんなに論文を読む時間がないから、そこまでしなくて良いんじゃない?"それならつまんな~いとかいってキレックスカラムで残存金属イオンを緩衝溶液からのぞいている間にYouTubeとか見ているのは暇じゃないのか?とは思ったのだが、DQNにナニを言ってもムダだ。コレでドコかの大学でポジションが欲しいだと?もっと上の大学(StanfordとかMIT、Caltech)の学生やポスドクたちはこれくらいのこと当然にやっていると思った方がいいぞ。そーいうヤツラといつかはコンピートしなけりゃならないワケなんだが......わかってるのだろーか?嗚呼、今週は怒りのあまり脳幹が発熱しそうだ......

 
 さてこれから2つのタンパク質を混ぜてその酸化状態の変化を見る実験だ。これがおわったらもう一回、カラムにかけなければ......

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【2008/03/22 17:54】 | 研究
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 今日は早朝から血を抜かれに行ってきた。別にドネーションじゃないよ~。血液検査である。昨年の結果によれば血中鉄分が通常よりも多いということなので、これがホントーなのかを確かめるためにやってみることに。昔、友人がデラウェアで血液検査をしてもらったとき、$100ちかく請求された上に、ものすごく痛かったそーな。それから比べるとココのウェルチェックでの$20は破格の安さのよーな気がする。そーいうわけで、アポイントメントは午前7時半。血液検査の12時間前には食物をとってはいけないそーなので、昨夜の夕食も午後7時。ラボで抄録会があったので自宅には戻れず、ビールも飲んでいない。だから今日は朝からラボにいるのだが、もうすでに疲れ気味。昨日からやっているタンパク質精製も手伝って、午後になればなるほど疲労感が出てきた。

 さて自宅に戻ると部屋に荷物が届いている。中身はこの間、オーダーした例のものだろう。まあそんなことよりも明日のカツ丼祭のために疲れたカラダにむち打ってトンカツを揚げ始める。アメリカのキッチンは主に電熱器なのでカツを揚げるために必要な油温(約170℃)に到達するまで結構時間がかかるのだ。また温度のコントロールも難しい。

 トンカツ自体は簡単だ。さすがにこの1年の間に何度も揚げてきたのでなれてきた。まあ買ってきた豚肉の切り身に切れ込みをいれて塩とコショウをまぶす。その上に小麦粉をまぶして、表面に塗り込める。もちろんこれを両面やる。そして溶き卵(通常は水で薄めるが、今回は薄めなかった。牛乳やヘビィホイップミルクで薄めたこともある。なかなかよい。)を用意して、これに浸してからパン粉を両面に塗りつけるのだ。パン粉はPankoとかBread Crumbなどで代用できる。特に前者はBozemanのたいていのグロッサリストアで見つけられるハズ。

 このできあがったトンカツの先駆体を170℃くらいに熱した油に入れて揚げるワケだ。最初は電熱器の目盛りを最大にして、1分ほど油中にあるカツを箸で転がすようにする。そのあと電熱器の目盛りを1つ下げて約1分揚げ続けるのだ。そしてまた目盛りを最大にして1分半ほど揚げてから油から取り出す。目安は3分半くらい。ロースならもっと短くても良いが、相手は豚なので長めにワタシは揚げる。だって当たったらマズイじゃな~い?もちろん表面が少し焦げ気味になってしまうが、これは妥協するしかない。(だれかさらに電熱器による最適な揚げ方を知っている方がおられたらご教授ください!)それにワタシの目的はカツ丼のためのトンカツだ。たぶんこのあたりが限界だとは思うのだが、日本の実家に帰ったら一度、ガスコンロで揚げてみたいところである。

 そーいうわけで今夜は揚げたてということもあり、デキの良いトンカツに日本からの来訪者が持ってきてくれたブルドックソースで白米と食したのである。

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【2008/03/20 11:24】 | 料理
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 アーサー・C・クラーク博士が昨夜、亡くなったそうだ。

SF作家のアーサー・C・クラーク氏が死去

 映画化された小説「2001年宇宙の旅」などで知られる英国人のSF作家アーサー・C・クラークさんが19日、移住先のスリランカで死去した。90歳だった。


SF作家のアーサーCクラーク氏。07年5月にスリランカのコロンボにある自宅で=AP
 17年、英国サマーセットの農家に生まれた。46年に発表した短編「太陽系最後の日」でSF作家として注目を集めた。

 その後、「幼年期の終わり」「都市と星」など話題作を次々発表。アシモフ、ハインラインらと並び、世界のSF界を代表する作家となった。科学の最新知識を採り入れて描く宇宙像や未来像の高い予測精度で評価されている。

 68年、スタンリー・キューブリック監督の映画「2001年宇宙の旅」で原作と共同脚本を担当。完成された映像と哲学的な主題で、今もSF映画の金字塔とされる。続編となる小説「2010年宇宙の旅」「2061年宇宙の旅」「3001年終局への旅」を書き継いだ。

 ダイビングを愛し、スリランカの海に魅せられて56年に移住。同国の伝説をもとにした「楽園の泉」を発表。「宇宙のランデヴー」に続き、この作品でもヒューゴー、ネビュラ両賞をダブル受賞した。

 精力的に小説を発表する一方で、科学技術の振興にも尽力。95年には英リバプール大の名誉博士号を受けている。



 ウチの両親が若い頃に「2001年宇宙の旅」を見に行ったそうだが、そのときはまったく理解できなかったとのこと。ワタシも以前、DVDで見たことがあるのだがとっても難解。ただ"静かな映像"という印象をもった。ちなみに小説の「2001年宇宙の旅」も読んだことがあるのだが、こちらはもっとわかりやすかった。

 さてその続編にあたる小説「2010年宇宙の旅」では「2001年宇宙の旅」においてナゾの中心であったモノリスの正体の核心に迫った。個人的には小説も映画(「2010」)も気に入っているのだが、どーだろう映画オタクにはあんまりよく言われてないんじゃないかな?「2010」は父と行ったキオクがあり、ラストのチャンドラ博士とHAL9000とのやりとりはちょっと涙ぐんでしまったのだよ。

 そんな今年は2008年。すでに2001年ははるか遠く、2010年は間近に迫っている。そして未だに人類は木星圏どころか火星にすらたどり着いていない。それでも私(たち)に夢を見せてくれたクラーク氏のご遺徳を偲び、哀悼の意を表します。

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【2008/03/19 13:48】 | 時事の話題
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 ボスが日本から戻ってきた。I大で講演をしたそうだ。ついでにワタシのサンプルも無事に日本にたどり着いたことを確認してきてくれた。ワタシの方は昨夜の実験でちょいと疲れ気味。これから育てたバクテリアを潰してタンパク質の発現量を見るのが今日の予定だ。残りの時間はPayrollに行って来年度の税金控除用の書類を作成するのと、タックスリターンの書類作成だな。ふとこのブログの整理をしていているとすでにエントリは500を越えていた。おお~、気づけばずいぶん長くやってるな~。そのついでにもう一つ気がついたのだが、昨年個人的に(勝手に)制定したカツ丼デイが今週末に近づいている。是非、作らなければ!!

 今日の午後はタックスリターンの書類を作りに行ってきた。すでに6回目になるのだが、去年からnon-resudent用の1040NRフォームを卒業して通常の米国市民が提出する1040フォームを使っている。これはワタシの米国滞在年数が税制上のnon-residentのくくりをこえているためである。(たしか実滞在年が5年だっけ?)

 毎年、憂鬱になるのだが、コレは出さないとあまりよろしくないのである。この感覚は米国市民も同様らしく、それを少しでも緩和するためなのだろーか大学のビジネススクールが主催しているTaxpayer helpのセッションがある。デラウェア時代は自力で埋め、モンタナに来てからはPCのソフトウェアを使用していたのだが、やはり同じ学科のポスドクのMさんが行きましょうというので今回はこれを利用することにした。

 早い時間に行ったので(5時半から始まる)会場にはヒトはほとんど居なかったのだが、どーもこのセッション、早いもの順らしく、5時半ごろには結構のヒトが集まってきた。また早いもの順ということは1日のセッションでさばける人数にも上限がある(たしか50人くらいかな?)ので、参加するヒトはお早めに。ワタシは最初から5番目くらいだったのだが、エントリシートに記入する内容に手間取ってしまった。ってゆーか、自分でタックスフォームに記入するよりも時間がかかったのではないかと思う......

 このエントリシートを記入しているとFくんの友人のAlexが現れた。どーも彼も書類の作成に来たらしい。彼のとっている文化人類学はどーか聞いてみると、最近は日本のポップカルチャーとかをやっていておもしろいとか。ふとTravisもとってみれば良いのにと思う。

 さてエントリシートを記入すると今度はコンピュータのある部屋に行き、マンツーマンでヘルプのヒト(たぶんビジネススクールの学生さん)がエントリーシートを元にデータを入力していく。ワタシの担当はBonnieという女の子。最初は1040NRフォームで作製していたのだが、ワタシがすでに7年居ると知ると1040の方が遙かに簡単よといって、そっち用のフォームに切り替えた。(最初に指摘すればよかったのだが、ついうっかりしていたのじゃよ)そんでものの10分ほどでおわってしまったのだ。最終チェックは別の女性がやってきて確認。相変わらずPayrollは良い仕事をしているらしく、源泉徴収額がすこし少なかったので、連邦政府と州政府にチェックを送らなければならないのであった。

 まあ多額ではないのだが、毎年、そんなカンジなので、タックスリターンの時期が近づくとアンニュイな気分にさせてくれるワケである。

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【2008/03/18 11:28】 | 生活
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cooyou
お役に立てて幸いです。でも変な回答をしていないかどきどきしてました(^^)また何か協力できそうなことがございましたら遠慮なくどうぞ!


ともみ
宿題へのご協力、本当にありがとうございました!とてもとても助かりました。授業、楽しいならよかったのだけど、、とくにポピュラーカルチャーのほうは、途中で若干中断する時期があったので、なかなか自分の授業、というかんじにならず、苦労しているのです。

そう、イリノイからきたので、州税面倒だなーと気が重かったのですが(以前移動があったときに、かなり面倒だったので)、turbotax使ってやってみたら、なんかあっけなくできてしまったのでした。turbotax偉大だ!とちょっと感動(笑)e-fileのために、それぞれの州にファイルするための料金をとられたのがいまいちでしたが、これだけ楽にできるなら仕方ないなーとあきらめてしまったのでした。

ありがとうございます~。
cooyou
AlexもChadも授業は楽しそうでしたよ。でもホームワークのインタビュー、回答に苦労しました。恥ずかしい限りなのですが、普段あんまり気にしたことがなかったので。でも、こういう日本に興味のある学生さんと接するのはなかなか刺激があってよろしいですね~。

ところでともみさんは昨年にIllinoisから来たのですよね?だと結構、今年のタックスリターン(特に州税の方)は大変ではなかったでしょうか?ワタシは引っ越しの翌年はコンピュータの結果がとんでもない値になったので、あの分厚いインストラクションを読み直しました(^^;)



おつかれさまですー
ともみ
Alexとは、私の授業に出ている学生さんですよねー。授業面白いんだったらいいんだけどなあ、とちょっと不安(笑)。タックスリターン、NRの場合はかなり面倒ですよね。1040のほうが全然楽、、なんだけど、税金が帰ってこないのが悲しいものがあります。

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 先週の金曜日は早朝からかり出されてモヤシの収穫だった。ウチのグループではこのモヤシからもタンパク質を精製しているのだが、最近の精製ではうまく大量に得られなかったそうな。そういうわけで今回は大量に栽培・精製とゆー力業に出たらしい。その結果、温室で収穫するのに人手が必要となってしまったわけだ。その日の午後は同僚のJohnと近くのバーに行った。たしか同じ場所に昨年の晩夏に訪れたのだが、そのとき以来バーテンダーがワタシがまた来るのを心待ちにしているとJohnから聞いたワケだ。そーいうわけで訪れることに......Johnと2時間ほどしゃべってたかな?3パイント空けてしまった......その夜はそのまま同じ化学科の日本人ポスドク、Mさんとともに隣町、Belgradeにあるちょっと小洒落たレストランに行く約束をしていたので、夕食をそこでとる。ここでも2パイント空けた。

 我ながら飲み過ぎたな~と思いつつ、朝起きるとFくんからTravis(日本オタクのアメリカ人)がたこ焼きパーティをウチで今日(土曜日)、やりたいとか言ってきたらしい。個人的にはバクテリアを育てるだけの予定だったので断る理由がない。承諾した。そのあと自分の飲むビールを買いにクルマを走らせ、Travisとその彼女、それと日本人ポスドクのMさんがあつまりたこ焼きパーティが開催された。ちなみにたこ焼きをおかずに白米を食べみそ汁を飲むのである。日本人的にはちょっとヘンだとは思うのだが、まっいいかとも思う。アメリカだしぃ。ちなみにこの日もつい調子にのって5パイント飲んだ......il||li _| ̄|○ il||li


 さて本題にはいろう。ワタシはケータイばかりでなく自宅のアパートにも電話回線を契約している。(最近はアメリカでも固定電話を契約しているヒトは減っているそーだ)その会社はこのノースウエスト地区にはびこるQとゆー会社であり、まあ田舎にありがちの独占企業だ。まあこんな人口密度の少ない地区にインフラを整えて新規参入するような奇特なほかの会社はいないわけである。そこまではいい、サービスさえしっかりしていればな。独占企業故なのか知らないが、たまにとんでもないポカをしてくれる、このQ社は。

 もともとBozemanに住み始めた時は、このQ社の固定回線を契約はしていたが、インターネットなどは地元の小さな会社を利用していた。(コレは母親が電話をワタシにするために契約したようなものだ)しかしこのQ社、あるときなかなか魅力的なオファを出してきたのである。まあワタシも悪いんだが、それに飛びついたワケ。それに地元の小さいプロバイダだと回線速度の割にちょっと割高感があったとゆーのもある。で、引っ越しの際に、この契約をすべて新しいアパートに引き継いだのだが、ココで問題が。まず日本の母親がこの固定電話番号に電話できないのである。(日本に帰ったとき確認したが、英語のアナウンスでダイアルしたあとにもう一度、電話番号先をダイアルしなければならないという旨をつたえられるのだが、うちの母親にはムリだわな......)それをなんとかフィックスするためになんどかサービスと連絡を取るも問題解決に至らなかった。

 次にインターネット。回線契約を1.5Mbps/8kbpsにしたのだが、上流の設定が256kbps/256kbpsのままで全然、速くないのね。これはもー肌で感じられたネ。アタマにきたので早速、連絡すると、まあすぐになおしてくれたのだが、どこまでルーズなんだか悪意があるんだかわからない。

 さらにルータの交換の時にも問題が発生した。これまではルータをレンタルしていたのだが、それではランニングコストが悪いことに気づく。(そもそもこんなに長くQ社のサービスを使うつもりはなかったのだが......)そーいうわけでQ社が提供しているルータを購入することにしたのだ。で、購入と同時にレンタルモデムを返却したかったので、そのための書類手続きをした。カスタマーサービス曰く、2,3日中に返却用の書類と返送用ラベルが届くということだったのだが、待てど暮らせどやって来ない。まあルーズな会社だからなと思いつつ、問い合わせのメールを送ってみると、返ってきた返事はまったくとんちんかんな回答!!(シネとおもいつつ)直接連絡すると、その書類は送ったといい張るんだよね~、昔の住所にヽ(`Д´)ノ まあ、あきれて開いた口がふさがらなかったのよ。

 ちなみにインターネットは、ココ、BozemanではケーブルTV会社のB社がある。こちらの方が回線速度も速いし、サービスもかなり良いらしい。(同僚のKim談)

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【2008/03/17 13:36】 | 生活
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 さて今朝はケータイの目覚まし機能でたたき起こされた。通常通り、午前7時にアラームが鳴るのだが目覚まし時計の時間はまだ6時。つまり夏時間(Daylight Saving Time)に入ったのだ。これ法改正のため昨年よりも繰り上がってきたのだが、今日のお天気はちょっとどんより曇り気味のうえ、そとには雪が残っている状態。まあちょいと早すぎのよーな気もしないでもない......

 先週はほとんどカゼをひいていた。のどが痛くてカラダがダルイのだ。カゼなんて久しぶりだったので、さすがに今回はちょいと長引いてしまった。ただどーやら学生さんの間でも流行っているらしく、Fくんやら文化人類学(anthropology)の学生さんからもその話を聞いた。また日本にフェデックス経由で送ったサンプルの書類がどこか途中でなくなってしまったらしく、戻ってくるという不手際が発生。サンプルは問題なかったのだが、体調の悪いときにはろくなコトがない。


 閑話休題。

 先月から論文精読のくせをつけるため(ちなみに自分のためにというわけではない)、論文の抄録会をやっている。ワタシの学生時代では当然のように行われていたものだが、アメリカではみんな論文を自発的に読まないのでなにしろ知識が浅い。(まあだから日本で学位をとってアメリカにポスドクにくればわかると思うが、英語が不自由な代わりに知識というアドバンテージを感じるハズだ、たぶん。)そーいうわけで同じ化学科のポスドクのMさんと同僚のDalia、そしてウチの学生のFくんというメンバーで始めた。分野はもうそれこそ何でも良いということで、ワタシはMさんのリクエストにより錯体の論文を紹介した(Mさんは専門が材料だったのだが、なぜか今のボスが錯体系の材料を作りたいらしく、Mさん自身が錯体化学についてよく尋ねてくる。)

 ワタシが選んだ論文は昨年のScience誌に投稿されていた"Cleaving Mercury-Alkyl Bonds: A Functional Model for Mercury Detoxification by MerB"というタイトルの論文。要は有機水銀の無毒化に関する論文だ。有機水銀といって思い出すのはチッソが引き起こした水俣病だが(論文の背景でも紹介されている)、アメリカ人にとってもそれなりにショッキングなものだったらしい(同僚のJohnも知っていた)。むか~し、中学のころに社会の時間で公害病について先生が説明していた。ナゼか妙に詳しく。たとえばチッソが生産していた"アセトアルデヒド(そもそもこの言葉は中学の化学では教えない)"を合成するときに触媒として"無機水銀(実際に使われていたのは硫酸水銀)"が使われていたこととか、それを海に垂れ流しただけで有機水銀を排出していないというチッソの釈明とかだ。実際、水俣病が発生した当時はまだ有機水銀が水俣病の原因物質であると同定出来ていなかったのだが、この妙に詳しい知識をナゼ社会科で習ったのか未だに疑問であるし、未だに覚えている自分にも軽く驚くね。
 水銀はきわめて有毒である。とくにメチル水銀などの有機金属化合物。研究室レベルでもどこかでメチル水銀を吸引して亡くなってしまった人の話とかをたまに耳にする。ワタシはやはりむか~し、還元剤としてナトリウム金属を水銀にとかして還元剤として使ったことがあるくらいで、有機水銀は個人的に使ったことはないね。

 さてハナシを戻すと、この世界には水銀を無毒化する酵素があるワケだ。有機水銀自体は自然界にも稀少量、現れることがあるとか。たとえば火山活動などで水銀鉱脈が近傍にある場合とか。また有機水銀中の炭素ー水銀結合は非常に強固でプロトン存在中でも簡単には切れない。そんなわけで自然に発生した有機水銀は簡単には除去されないわけだ。しか~し長い時をかけてなんだろーな、バクテリアは有機水銀の自己細胞中で代謝する機能を備えたのである。それが発見されたのが20年ほど前、大腸菌のある株の中にあるプラスミド(環状の遺伝子)にだ。このプラスミドには有機水銀の輸送や炭素ー水銀結合の切断、水銀イオン状態から水銀金属への還元などを司る酵素のセットがコードされているのだ。また近年の研究努力で大腸菌以外のバクテリアにもその遺伝子の存在が確認されている。

 今回の論文はそのMerBというタンパク質に焦点をあてている。まさに有機水銀の炭素ー水銀結合を切断して無機水銀として放出する酵素だ。この反応を合成したモデル化合物で再現して、水銀イオンに対する高い配位状態がこの炭素ー水銀結合を弱くするという。そして酵素中でも同じような水銀イオンの高い配位状態が結合切断の重要な因子であるという議論なわけだ。議論としては単純明快だしおもしろい。それに近年、錯体化学では掲載されにくいScience誌ということもあるし、はたまた著書は有機金属化学でも有名な先生。(そーいえば今月末にMSUにノーベル化学賞をとったRichard Schrock教授がくるな......)昔の自分ならただただ感心をしていた......のだが、このMerBタンパク質の研究をやっている論文を3,4報、さらに読んでみてちょっと気が変わったのじゃ。

 MerBタンパク質(organomercurial lyase)における有機水銀の炭素ー水銀結合の切断様式についてだ。生化学のグループは古くからいろいろな立体構造の有機水銀を基質としてMerBと酵素反応させてその生成物から反応様式を判断していた。また重水中での反応速度の違い(solvent isotope effect)についても調べているのだ。(近年も再実験によってその反応様式を再確認している論文がある)つまり生化学者なのにやっていることは泥臭い有機合成なんだよね~、このグループ。その結論では反応様式は求電子置換反応(SE2、electrophilic substitution)。反応に関与する四原子が四角形の中間体構造をとるために立体反転を伴わないんだそうだ。

 まあワタシとしては生モノ屋がここまでやっているのにそのScience誌に掲載されている方は本家なんだからもうちょっとつっこんだ反応機構についても言及してほしいな~と思っちゃんだよね。もちろん紙面に限界があるからさ、そんなこまかいことなんてかけないとは思うけど、footnoteとかにちらっとでも書いてあれば納得したんだよね。(まあ続報には書かれているかもしれないけどね)まあ、第三者からみた勝手な言い分でした~。
 

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【2008/03/09 05:59】 | 研究
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 先週の出来事になるのだが......ミネソタ大学から特別講演ということで無機化学の先生がいらっしゃった。実はこの先生とは顔見知りだ。というのはモンタナに来る前にMSU以外、2箇所からポスドクのオファをもらったのだ。そのウチの一つがカレの研究室。さすがに忘れているかと思われたが、会ったとたんに思い出したらしく、ひさしぶりみたいな声をかけられた。(ボスのDaveと話しているときもワタシの話題になり、冗談で"cooyouはダークサイドに進んでしまった"みたいなことを言っていたな......)そのあと同僚のDaliaとその先生とともに昼食をとり、そのあと簡単なディスカッション、講演と続いたのである。講演内容は銅の硫黄配位子を含む錯体。ワタシが研究している酵素の活性部位をターゲットとしたモデル化合物についてだ。どうやら最終的には機能的なモデルを目指しているらしく、質疑応答の場でその辺を聞いてみた。まあ知人が訪れるのは喜ばしいことだし、それにこういった有名な先生から錯体のお話を聞けるというのはココの学生にとってもなかなか刺激になると思う。

 この講演は水曜だったのだが、木曜日は経過報告。なんだか先月も経過報告書をDaveに出していたので、しゃべることが多くなったのだが、経過報告の雰囲気が”早く済ませろ”的だったのでなるべくちゃっちゃとする。でも日本でもそうだったけど、ワタシはいつもそんなカンジだったので、ちゃんと要点を伝えられていない様な気がしていた。のだが、翌日にDaveにナゼか誉められた。でも自分の中に残る不安は払拭できないのだよね~。

 金曜日は今度はリクルーター役をやらされた。来セミスタの新入生候補の相手だ。ジムでポスターセッションが開催され、そこで2時間ほど拘束される。(まあフリーランチが出たけど。)2人ほど話を聴いてくれた娘がいた。でもおしなべて生化学というより、環境学やら分子生物学に興味のある人たちが多かった様な気がする。

 ボスが来週から日本に行く。講演だ。内容はワタシの研究成果を話すということなので、スライドのアウトラインを話し合った。ついでに昨年からずっとかかりっきりの論文についても、その解釈を議論していたのだが、昨日から風邪を引いていたせいか、とんちんかんなことしか思いつかない。少し休息が必要なのかねぇ。

 昨日、日本にサンプルを送ったのだがシッピングスリップが無くなったと某フェデックスから連絡がきた。そういうわけで、パッケージ(今はメンフィスにある)を回収することになったのだ。ああ、アタマにくる~。だいたいどー扱ったらスリップが無くなるんだ!とやり場のない怒りにとらわれているところだ。(風邪を引いているのもわをかけているのだろうね......)

 まあこんなカンジでこれまでは過ぎ去った。いい加減、雪やまね~かな?

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【2008/03/04 07:52】 | 研究
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Fumihiro
あーしまった!
月曜の朝のミーティング、完全に忘れていました。ごめんなさい。
まあ、どっちにしろ僕の研究結果はまだ外に出すのはPreliminaryすぎるので、
僕がいなくても関係なかったですかね。

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