学位取得後、研究者として米国へ。このさきどのようなことが待ち受けているのでしょうか?

世界はパンデミックになるか

 ちょっと前に例の西アフリカで猛威をふるっているEbolaウイルスがアメリカに上陸したとかいうのがニュースでやっていた。その後、その感染者のリベリアのヒトは亡くなってしまったようだが、二次感染の可能性があるとかでテキサス、ダラスのあたりは結構、大騒ぎになったようだ。おとといほど二次感染疑いのあると報道された保安官は陰性だったらしく、あとはその亡くなったリベリア人との直接接触者たちの事後観察が続けられており、現時点では症状がでてないのでウイルスの拡散に対しては若干楽観視されているみたいだ。



 ところで今回の米国での感染騒ぎも十分おっかないハナシだったわけだが、個人的にもっと気になるのがマケドニアでそのウイルスに感染・死亡したと言われている英国人のこと。この男性、アフリカへの渡航履歴がないらしく、本来なら感染するいわれがないはずなんだが...もしこれがEbolaだったら発症前のキャリアからの感染ってことになる。ということはすでにヨーロッパのどこかでEbolaの暗黒期・潜伏期を過ぎ、かつ発症してないキャリアがうろついていることになるな。


 スペインでもこのあいだEbolaで亡くなった修道士を看護していた看護師の女性が感染し、悪化の一途をたどっているとか。その彼女の愛犬が殺処分を受けたとかも。犬はEbolaのキャリアになるが、発症はしないんだそうだ。仕方がないとは思うが、ちょっと考えさせられた。


 一方でPhiladelphiaからドミニカに行く飛行機内で、自分はEbolaだと叫ぶ乗客が取り押さえられたらしい。この乗客はEbolaに感染しておらずただの冗談だったらしいんだが、こんな風に愉快犯が出てくると騒ぎが増長されそうだな。


 ちょっと前からウイルスの殻タンパク質に興味があったので時間を見てはMolecular Viologyっていうテキストブックとにらめっこしていた。まだ1/4ほどしか読んでないけどね。日本だと化学畑の人間はこういったウイルス学を学ぶ機会がないんだけど、タバコモザイクウイルスの結晶化に成功したWendell Stanley博士は化学畑のヒトでノーベル化学賞を受賞している。学生の頃にもうちょっとウイルスの勉強をしておけばなぁと思うこの頃だ。


 最後にちょっと希望的観測を。まあ記事が古いけどグラクソ・スミスクラインとNIHが開発しているワクチンがヒトを対象とした臨床に入るとか。このワクチンが有効ならもうちょっと対処法がでてくるんだろうな。

米国立衛生研究所(NIH)と英製薬大手のグラクソ・スミスクラインが開発しているエボラ出血熱のワクチン候補がサルへの接種で予防効果を示した。

 このマカクザルを対象とした前臨床試験(動物実験)の結果は英医学誌「ネイチャー・メディスン」の電子版に7日掲載された。




 テキサスのことがあったし、ちょっと戦々恐々としているのである。


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プロフィール

cooyou

  • Author:cooyou
  • はじめまして!2001年に日本を飛び出し米国へ。研究分野は化学でしたが、2005年のはじめに職場を東海岸から山の中へ移し、その際に研究分野も大きく変えました。そして2010年に結婚とグリーンカード取得。さらにさらに2011年夏に再び1800マイルを東に向かい、新天地、ミシガンに生活の場を移しました。2016年夏に仕事の都合でテネシーに引っ越しました。クルマ関係の仕事ですが、未だに合間を見ては投稿論文の準備をしています。まあ、せっかくの貴重(?)な人生なので、日々の出来事を残しておくことができれば幸いです。

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