米国けんきゅうにっき 科学が見せる夢
学位取得後、研究者として米国へ。このさきどのようなことが待ち受けているのでしょうか?
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 子供の頃、親に買ってもらった恐竜図鑑や上野の国立科学博物館の恐竜コーナーを見て血沸き肉踊ったものでした。さて今日のYahoo Japan!のニュースを見ていたら「しくじったティラノサウルス、襲った獲物生き延びる」という記事を発見。目を惹いたのが発見場所がモンタナ州。あら住んでいる場所じゃない?先日のエントリで掲載したMuseum of Rockiesも展示物は恐竜が多いのです。すなわちモンタナは恐竜の化石の宝庫!というわけ。つい最近も恐竜の血液だっけ?が発見されたとか。ところで、子供の頃はとかくハデな恐竜、ティラノサウルスとかにあこがれていましたが、日本には居なかったということを知ってがっかりしたものでした。その上、当時日本で見つかった唯一の恐竜化石はフタバスズキリュウ......なんだか弱そうというのが子供の頃の正直な感想。まあ学問には強いもへったくれもないのだけどね。

 そんな感じで子供の頃は私も多くの他の子供たちと同様(?)に古代地球に思いを馳せていたものです。ついでに科学博物館では宇宙モノも多く展示されておりました。それもあってそこを訪れる子供たちは宇宙にも夢を馳せるのではないでしょうか?現に私もとっても影響を受けました。最近の土星の衛星、タイタンへのホイヘンスプローブの大気圏突入や、火星のクレーターでの(顔の構造物じゃなくて)氷の発見とかは私的に衝撃でしたし、その影響力はいまだに残っているみたい......

 先ほど例のNMR workshopに行って参りました。でも思ったよりも閑散としていたな......やっぱりこんな片田舎ではそんなにヒトは集まらないよね~。とりあえずある講演だけ興味があったので、それだけ聞いて戻ってきました。戻るとだんだんと空が暗くなってきたな......

 さて私が今やっている研究ですが、かつて子供の頃に見せてくれた世界とは異なる分野です。もともとデラウェアにいたころまでは金属を含む有機化合物(これを化学では錯体:complexと呼んでいます)を合成してその性質や用途などを探っておりました。特に私のなかで興味があったのが、こういった合成物を用いることでなし得るかもしれない小さい分子(代表的なものとして、この地球の大気に含まれる気体、酸素とか窒素など)の変成です。すなわち錬金術に源を発する合成化学ですね。しかし今は生物屋さんになってしまいました。その動機ですが、それを語る前にまず学問と学問の境界は存在し、その領域の間には大きな溝があることを簡単に知ってもらわなければなりません。これは多くはそれぞれの分野のコンセンサス(共通認識)の相違となって顕れますが、それではあんまり具合がよろしくないですよね?私自身も化学を学んでいた頃は生物の論文を読むことはあっても、彼らのコンセンサスを理解することはありませんでした。それにですね、各分野の孤立化の大きな理由として、私もそうなのですが多くの研究者たちはそれぞれ自尊心が大きいのですよね。そんな事をいろいろと考えているウチに、これからの科学の進歩はたぶんお互いの歩み寄りから始まらなければと思ったのでした。そのためにはまず相手の考え方を知らなければならない。そして生物という海原への航海を決心したというわけです。

 いろいろと問題もあります。なぜならば10年間、培ってきた学問の認識を耕し直さなければならないことです。そして(少なくとも私の知る)考え方では起こり得ないようなことが多々起こること。その代わりに新しい代価を得ているという実感もあります。以前の自分では(面倒くさくて)思いもしないようなことをちゃんと考えるようになりました。たとえば、先日のバッファの調製で一悶着が在ったとき、もし以前の私でしたらたぶんどうしてその学生さんがそういったことを起こし得るかを見いだせなかったかもしれません。そういった意味においてもこの地に来た価値は在ると思います。

 では本当に上記だけの理由で(言い方は悪いのですが)こんな片田舎にやって来たのでしょうか?違います。でもここからは研究の大義名分やら利害の一致、そしてある研究に対する熱意といったいろいろな要素に加え、専門的なお話にまで及んでしまいますので、またの機会にお話しますね。

【2005/08/18 03:28】 | 時事の話題
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