米国けんきゅうにっき 最果ての地、凍てつく星
学位取得後、研究者として米国へ。このさきどのようなことが待ち受けているのでしょうか?
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 いやぁ、NASAの冥王星探査機、New Horizonsが14日にとうとう冥王星再接近を果たした。New Horizonsの打ち上げは2006年で、モンタナに来てからちょうど1年経ったときだった。それから9年半かけて冥王星系に到達したわけである。正直、今日発表された高解像度の冥王星の写真を見てココロが震えた。そして改めて、青臭い言い回しだけど科学というもののすばらしさを感じた。たとえ裏側でどんなことがあったとしても、その真実そのものの純粋さ、あるいは高潔さを感じたわけだ。


 2006年にモンタナでNew Horizons打ち上げの記事を読んだとき、自分が9年後にドコにいるだろうかと思ったんだ。モンタナには居ないだろうし、それどころか五体満足に暮らしているかもわからなかった。だがたどり着くそのときの冥王星の姿だけは見ておきたいと思ったものだ。そしてその日が今日だった。冥王星の近接画像は想像通りとも言えるし、ちょっと違うとも思った。でも少なくとも思ったことのひとつ。そんなに寒そうな表情じゃないと。


 さて今回の接近で冥王星とその衛星、Charonの正確な直径がわかったそうだ。まず冥王星は地球の月よりも小さいというのが目を引いた。それと上にも書いたけど冥王星の表情が思ったよりも”あたたかい”感じ。クレーターが月なんかより少ないよね。ほかの衛星の写真も撮影する予定があるのだろうかとも思う(冥王星系にはCharonを含めて5つの衛星がある)。



 冥王星の直径決定は学術的に非常に有意義なことだと思うが、もっとエモーショナルなこともある。冥王星発見者のクライド・トンボーの遺灰の一部がNew Horizonsに搭載されていることだ。彼の英語版のWikiを読むと、勉学のために苦労されていたことが伺える。でもいろいろあって冥王星を見つけられたし、その後のすばらし天文学上の業績もあった。自分の現在と見比べて、ちょっと勇気づけられる。残念なのがNew Horizonsを打ち上げるずいぶん前に亡くなられたこと。一方で冥王星の英語名(というか元々の名前)、”Pluto”の名付け親となったヴェネチア・バーニーもNew Horizonsの冥王星最接近を待たずして2007年にこの世を去っている。彼女の名前を冠した測定装置がNew Horizonsには搭載されているあたり、開発チームは冥王星発見時の人々に大いなる敬意をはらっているように感じられる。


 これから冥王星に関してもっといろいろなことがわかってくることだろう。New Horizonsから送られるデータは光の速度でも地球にたどり着くのに4時間半かかる。しかも通信速度は現時点で約800bit/secだそうである。本体には8GBのローカルストレージを持っているそうだが、冥王星観測終了後にローカルストレージ内の全データを地球に送信完了するのに16ヶ月はかかるとか。なんだか気の遠くなりそうな話である。再接近直前の通信途絶などの障害をよくリカバリーしたものである。そういった様々なことを考えると、ちょっとこの冥王星探査には神懸かるなにかを感じてしまう。


 でも、まずはおめでとう。



 

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【2015/07/14 22:25】 | 宇宙
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