米国けんきゅうにっき 生化学と無機化学
学位取得後、研究者として米国へ。このさきどのようなことが待ち受けているのでしょうか?
 今日もまたCD(円二色性偏光)スペクトルと電子スペクトルの測定。なんだかだんだん妙な結果が出てくる。これについて最近、学位を取った学生と議論することとなった。

 実験目的はワタシの研究対象であるタンパク質の阻害効果についての詳細な機構の検討だ。具体的にはアジ化ナトリウム(sodium azide)の銅タンパク質への阻害効果を調べていた。速度論的アプローチではその大まかな阻害効果はわかっており、その阻害機構のスナップショット(まあ、証拠写真だね)を得るために、各種分光分析で追っていたのである。
 ワタシはもともと合成化学出身なのでアジドアニオンは銅イオンに容易に配位する(結合を形成する際に、通常は原子同士がお互いに電子を供給しあって結合ができあがるのだが、配位という概念は一方の分子、この場合はアジドアニオンのみが電子を供給することで形成する結合様式)と思っていたのだが、タンパク質の世界ではどーもそうではないらしい。実際、このアジ化ナトリウムをタンパク質に対して、0.1当量ずつ加えていたのだが、顕著なスペクトルの変化は見られなかった。しかし、大過剰では大きな変化が起きたのである。ただこうなるとタンパク質自体がどーなっちゃってるの?と思うのだが......

 たとえば大過剰のアニオンをむきだしの銅イオンに加えれば、それは錯体を形成する。ある銅錯体にやはり大過剰のアニオンを加えれば、それはちがうものとなるかもしれない。これと同じコトがタンパク質にもいえるのではないだろうかね。実際、こんなレベルの量を加えると、そのタンパク質の活性は無くなることがわかっている。だからこの条件で得られたスペクトルは真実を見ているワケではないと思うのだよ。すくなくとも(活性がなくなる条件ではなく)活性が阻害される条件および機構と、この極端なコンディションのスペクトルには相関がないと思うのだ。

 そんなとりとめのないことを考えているうちに珍しくGoegiaにいる友人から電話がかかってきた。まっ、そんなところで~。

【2006/07/07 12:18】 | コンピュータ
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