米国けんきゅうにっき サンクスギビング、そして......
学位取得後、研究者として米国へ。このさきどのようなことが待ち受けているのでしょうか?
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 今日はラボで蛍光分析を行っていたのだが、いろいろあって遅くなってしまった。そして建物の外に出ると、そこは静寂の世界、真っ白だ。お昼頃に昼ご飯を調達氏に出かけた時から雪がちらついていたのは知っていたのだが、まさかこんなに積もるとは思ってもみなかった。実際、スノープローラー(雪かき車)がまだ出動していないらしく、主な道にも雪がかぶったまま。あいかわらず雪上の運転は慣れないなぁ。

 サンクスギビングの前後はラボに人が少なくてイイ。必要以上に集中しなければならな実験とかは主に週末とかビッグホリデーを利用するのだ。今回のもちょっと特殊な実験。説明する前に、簡単にワタシがナニを目的にした実験を行っているのかを述べよう。

 この地球には窒素サイクルというものがある。これは地球の環境や生体などを介して元素としての窒素が循環していることを示すものだ。(全く関係ないのだが、昔、ゲームで「ラスト・ハルマゲドン」というものをプレイしたことがある。たしか人類が滅亡した後の世界のお話で、地下から伝説上に存在するモンスターたちが人類に代わって地上を制覇しようとするのだが、すでに地上は外宇宙から侵略してきたエイリアンによって支配されているという凄まじい背景。プレイヤーはこのモンスターを操りエイリアンたちから地上の覇権を取り返すのだ。さて、その中で”アゾート剣”なるものが武器として出てきたのだが、アゾートは窒素を意味するのだそーだ。だから窒素化合物の命名法にはアゾとかの接頭語がある。)
 窒素分子は地球大気の8割を占めている無害で比較的安定な化合物だが、一度、酸化されるとなかなかやっかいなシロモノとなる。たとえば五酸化二窒素は水和することで酸性度の強い硝酸となるし、大気汚染でよく取り上げられるNOxもそのグループに含まれる。さて上記にも示した様に自然界には窒素サイクルがあり、こういった酸化物を還元する自浄システムをもつ。これを脱窒化過程と呼んでおり、主に土壌の微生物がこれを担っているのだ。
 こういった微生物の中に含まれる窒素酸化物を還元する酵素についての研究が現在のワタシのテーマである。それでは実際に人類に対してどういった貢献があるのかと言われれば、現時点ではナイといっていいだろう。でも遠い未来には違う見解があるかもしれない。窒素酸化物のうち、一酸化窒素と亜酸化窒素(笑気ガス)は地球温暖化およびオゾン層破壊に寄与していると言われている。実際、笑気ガスの大気中存在比は過去、100年の間に緩やかに増加している。またこのガス自体、京都議定書で議題となっている温暖化ガス、二酸化炭素の約300倍の温暖化能を持つことが知られているのだ。まあそんなわけで、近い将来、これらのガスをどーにかしなければならないだろう。
 それよりもワタシはもっと遠い未来を夢見るね。’惑星改造(テラフォーミング)’だ。手近には火星環境の地球環境への移行かな?金属酸化物、あるいは窒素酸化物などを多量に含む火星土壌から酸素を取り出し、緩やかにだが確実に大気中の酸素濃度を増加させることができる。そこから次のステップへといくわけだ。まああと500年くらいかかりそうだけどね。

 話は回りに回ってしまったが、この窒素酸化物を代謝する酵素の研究を行っているワケだ。ターゲットの酵素は6つの銅イオンを含んでおり、この6つの銅イオンが低い酸化数の時のみ(すなわち還元状態のとき)、亜酸化窒素を還元できることが最近の成果でわかっている。しかし、この還元状態の銅イオンについての直接の分析方法というのはかなり限られており、酵素学に限って言えば、あまり前例がないのだ。そんななかでたまたまだが、この6つの銅イオンには硫黄原子との結合を持つことがわかっている。この構造は幸いなことに蛍光を発することも知られているワケ。そこで最初に述べた蛍光分析となったのだ。ただ蛍光分析には銅イオンが必ず還元状態でなければならないという制約がある。その一方でこの酵素の還元状態は極度に空気中で不安定なのだ。故に常に酸素のない状態で操作しなければならない。これは生化学者には荷が重い実験だと思う。しかしながら、ワタシはコレまでの10年間をそういった空気(酸素分子)に対して不安定な化合物の扱いの修練をしてきているのでその限りではないわけだ。それでもそれなりのタスクではあるわけだが。そういった理由で人気のいない時にやってるわけなのだ。


 それでもサンクスギビング当日(一昨日)は休ませてもらった。Fくんのホストマムに夕食を招待していただいたためだ。Fくんのリクエストで麻婆豆腐を合成したが、それ以外にも久しぶりにお菓子を作ることにした。実は東海岸に住んでいた頃は結構、お菓子系の料理をしていたものだ。理由はBorders(全米の書店チェーン)でお菓子の作り方の本を買ったことがきっかけだった。ただし、自分で作ることはあっても、あんまり甘いものは好きではないので、ほとんど食べないし食べられない。だからこういったポットラックみたいなことがない限りは作る機会がないのだ。

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クラストは市販品。本にはこいつの作り方まで書いてあるが、時間がないのでパス。ただオーブンを375°Fにプレヒートして5分ほど焼いておく。
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このクラストの底にフライパンに無塩のバターと大さじ一杯のコーンシロップ、セミスイートのチョコレートチップおよび3/4カップのヘビィホイップミルクを暖めながらよく混ぜる。玉がなくなってから一気にクラスタに注いで、1時間ほど冷蔵庫へ。そのあとコンデンスミルクを2時間湯煎したものをこのチョコレート層の上に注いでやはり冷蔵庫へ入れておく。今回はちょっといろいろあってこの層を2つ形成させた。つまりチョコレート・コンデンスミルク・チョコレート・コンデンスミルクだ。この時点で合成者は食べる気を無くす。
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ほどよく固まったらバナナの輪切りをまんべんなく並べていく。パイの中央に行くほど、バナナを積み上げていく。
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最後に生クリームを乗っける。残りのヘビィホイップクリームをかき混ぜて、クリームに。甘さの調整はコーヒー用の砂糖を3袋にした。オリジナルのレシピではホワイトチョコレートを溶かして入れるとゆー物騒なことが記載されていたが、読んだだけで頭痛がしてきた。まあこの状態でもかなり甘いのだが......最後にココアの粉を振りかけて完成である

 予想通り凄まじく甘いのだがFくんのホストマムは喜んで食べていた。ってゆーか、Fくんによれば翌朝にはすでになくなっていたとか。ワタシが辞する頃にはまだ半分ほど残っていたのだが、アレを夜中のうちにたいらげたのだろーか?

 ところで麻婆豆腐の挽肉はバッファロー肉を使った。これはアメリカ人にもかなり好評だったようだ。

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【2006/11/26 16:57】 | 生活
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