米国けんきゅうにっき 久々の経過報告
学位取得後、研究者として米国へ。このさきどのようなことが待ち受けているのでしょうか?
 まず、今日のエントリは愚痴である。だから不快に思われたかた、ごめんなさい<(_ _)>

 一昨日、経過報告があった。まああれだ、研究の進捗状況をボスに報告する会だ。ウチのグループは大抵、その後にボスがみんなにおごってくれるわけなのだが......今回はちょっとしたハプニング。ワタシの報告はつつがなく行われたのだが、同僚のポスドクが彼女の発表途中で急に具合が悪くなってしまい、座り込んでしまった。ボスもそうだがワタシも彼女がそんな状態であるとは、Johnが彼女に呼びかけるまでこれっぽっちも気づかなかったのだ。原因は前日に摂っていた薬の影響ということだったので大事には至らなかったワケだが......彼女の発表内容に留意しており、まったく彼女の状態に気づかなかった自分自身に軽くショックを受けた。こうやってチモナミダモナイ非人格者が生まれるのだろうか、と。

 ところでその同僚は計算化学に特化した研究をしている。こういってはなんだが、実際的な実験などにはそんなにセンスがない。そんな中、その日の経過報告では彼女は果敢にも実験の報告をした。ワタシと同日に測定した極低温のESRを用いたスピン定量、スタンフォードの高エネルギー研究所で依頼測定したX線吸収スペクトル、そして大腸菌の培養状況だ。ワタシの個人的な感想では、正直言って脇が甘いデータだとは思っていたのだが、珍しくボスも同様な追求をしていたのが印象的であった。その直後に上記の様に座り込んでしまったので、ボスもちょっとショックだったのではないだろーか?そんな話題を昨日のお昼ご飯にAronとビールを飲みながら話題にしていた。

 最近は化学でも計算がはやっている。そうはやっているのだ。近年の飛躍的なコンピュータの性能向上というのも理由の一つだと思うのだが、化学計算用のユーザーパッケージ自体の利便性の向上もあるようだ。さてワタシはある都内のオタク大学を卒業しているが、ここの化学化では2年および3年進級時に特定の科目を履修できていないと、3年時での履修科目が限りなく限定される、あるいは2念以上に進級できない仕組みとなっている。だから3年次にしか履修できない「反応速度論」とか「量子化学」には両手で数えられるほどの同級しか居なかった。化学科を卒業したヒトでも「量子化学」の授業を履修していないニンゲンは掃いて捨てるほどいるわけだ。
 さて米国でもそんなことがあるようだ。その同僚は「量子化学」どころかその基本である「線形代数」も履修していなかったらしい。言い換えればシュレーディンガーの波動方程式とか変分法、それどころか行列式などなどの扱いを知らなくても「計算化学」を用いた研究はできるという、なんだかヘンな状況なのである。
 ワタシはホントーに計算化学の基礎の基礎しか学ばなかったので、これでプロフェッショナルで生きていこうとはこれっぽっちも考えていないし、計算を生業にするとゆーことはその本質を当然、理解している(ワタシはそーではない)と思っているのだが......まあ、そんな状況であり、同僚はコンピュータの前でせっせとデータの解析、ワタシはラボでバクテリアやヘンな化合物まみれになっていたり......という棲み分けになっていたのだ。当然、後者は実際的なラボでの労働時間は多くなるし、体力も消耗する。時間もかかるので論文なんかもなかなか執筆できない。その反面、計算屋はコンピュータリソースによるけれども、机の前に座りながら、コンピュータの出力結果を元に論文を執筆できる。実際、同僚は10ヶ月ほどワタシよりあとからウチのグループに参加したにもかかわらず、ワタシよりも先に論文を出した、というわけ。まあ、ちょっと不満があるのだよ。

 ワタシも数学の授業はあんまり受けていなかったので、どちらかといえば苦手な部類に入る。同僚のJohnなんかはこのサマーセッションで「微分方程式」の授業を履修しているのだが、それには頭が下がる思いだ。(彼は昨年のセッションでも「線形代数」を履修していた。)ホントーは学者たるもの、たとえ分野が異なっていてもいろいろなものに興味を持ち、将来のために(たとえ今は役に立たなくても)学び続けるべきなのだろう。

 まあチラシの裏の落書きだ。

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【2007/06/04 08:04】 | 研究
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