米国けんきゅうにっき GPU戦争のゆくえ(1)
学位取得後、研究者として米国へ。このさきどのようなことが待ち受けているのでしょうか?
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 気がつけばほぼ一月のブログ放置ですた。みなさま、ご機嫌いかがでしょうか?さてこちら、モンタナ州Bozemanは夏真っ盛りの気候となってきました。つい一月前に雪が降ったりしていたのがウソの様......どちらかといえば日中はカナリ暑いデス。そんな暑い中、昨夜は独立記念日とゆーことで、花火が打ち上げられていましたねぇ。思えばアメリカでの独立記念日も8回目を迎えるわけだ、思った以上に長くココにいます。

 明日から(聞いたこともないよーな)国際学会に出席するために、ココからクルマで3時間ほどの場所にあるMissoulaとゆー街にいく。(デラウェア時代のボスが招待講演でしゃべるというので、参加することにした)そんなわけで今週はずっとポスター作りに励んでいた。また書き上げていた論文の草稿もボスとはなして新しいデータを加えるとゆーことになったため、投稿は一時保留である。(まあもうちょっとマニアックな速度論を展開することになった......また新たに青酸物を用いた実験も取り込む予定なので、論文としては規模がおおきくなってまいりますた......)Missoulaの学会が終わるのが来週の木曜、そのあとは1日休みをもらってKallispellまで足をのばそうと思っている。(そのあたりのブルワリを攻略するため)そんなワケでまたココもしばらく放置気味になるでしょう(^^;)


 もう最近は”米国けんきゅうにっき”とはまったくカンケーないトピックに突っ走りまくっているが、まあコレも趣味の一環とゆーことで。今回もそんなわけでパソコンのおはなしだ。2週間前くらいかね?AMD(旧ATI)から新型のGPU(Graphic Processing Unit、はやい話が画面描写専用のチップ)が発表された。コードネームはRV770というヤツだ。ATIのチップといえば古くからマックユーザーにもなじみの深いものなんじゃないかな?(もっとも最近はNVIDIAのチップをオプションで選択できたりしたみたいだが......)

 今回、なんでまたこんなニッチなトピックに目を付けたのかといえば、このRV770を巡ってのNVIDIAとAMDのやりとりがおもしろかった為だ。(これはある意味、数年前のAMDとIntelの1GHzCPUの到達戦を彷彿させる)簡単な背景としてはGPUのチップベンダーは2強に分かれている。AMD(旧ATI)とNVIDIAだ。AMDはRadeonシリーズ、NVIDIAはGeForceシリーズを展開しており、その性能(特にゲーム性能)はこれまでNVIDIAのGeForceシリーズに軍配があがっていた。

 個人的にはGeForceシリーズは初代のGeForce256→FX5200→6200Aとゆー微妙な性能のカードしか使ったことがないのに対してATIでは(Rage128→)XPERT2000→ALL-IN-WONDER Radeon→Radeon8500LE→RadeonX800→RadeonHD3870というように、どちらかといえばATI寄りユーザーである。(たぶんマックユーザーだった頃の影響だろう)これまた個人的な感想だがRadeonは遅いけど描写がキレイ、GeForceは速いけどちょっと表示品質が美しくないという感じだ。

 NVIDIA陣営は2005年のGeForce7xxxシリーズ(G7x系コア)以来、ATI陣営(対するはR500系コア)を圧倒し続けていた。その後、G80コア(GeForce8800GTS初期型などの8xxxシリーズ)→G92(GeForce8800GTS後期型や98xxシリーズ)、G94(96xxシリーズ)とNVIDIAは続いていくのだが、GeForce9xxxシリーズあたりでリネーム商法と揶揄されるようになる。(コアデザインをほとんど発展させていないのに、商品名だけ変えて販売価格を維持している様にみえた為)そして2008年6月17日、NVIDIAの次世代フラッグシップモデルGeForceGTX280(GT200コア)が発表されるのだが、あまりに巨大なチップ(576mm2)と莫大なピーク消費電力(236W!)、そしてフル動作時のチップ中心温度が100℃を越えるという、ある意味、開いた口がふさがらないよーなシロモノであった。(発表でもこれまで製造されたシングルチップのなかで最大面積を誇るとか言っていたそーだが、自慢にはならんな~)

 一方、NVIDIAの後塵を拝してきたAMDの方だが2008年6月19日(GT200の発表のすぐ直後)にRV770を発表するという、非常に戦略的なアクションをとった。GT200は(単精度で)1TFLOPS前後の浮動小数点演算性能と謳っていたのに対して、RV770も1TFLOPSを達成したと発表。しかもチップサイズは250mm2とGT200の半分かつ消費電力は180W前後でだ。さらに科学演算などで需要がある倍精度演算にいたってはRV770は200GFLOPSでGT200が90GFLOPSと大きく劣る。また末端の販売価格だがGeForceGTX280が$649でRadeon HD4870が$299。まあ専門分野でないのでアーキテクチャのウンチクをたれるほど詳しくはないのだが、”コレってNVIDIA、マズくない?”とは感じることができる。

 このAMDのスペック発表を受けてNVIDIAはただちについ先日発表したミドルハイエンド製品、GeForceGTX9800を$199に値下げし今回のRV770をコアにもつミドルクラス製品、Radeon HD4850($199)の価格帯にぶつけてきた。さらにGTX9800+という位置づけが不明の製品(GTX9800のオーバークロック版)も$229で発表。GeForceGTX280の値段を下げられないのは新製品ということのプライドと巨大チップのための1ウェハからの収率の低さ故だと思われるのだが、そのすぐ後日、NVIDIAはコレを$90値下げすることとなる。このようにNVIDIAの迷走ぶりが伺えるのだが、このあおりを受けるのが小売り業者。以下のコメントがウェブに掲載されており、その事実を端的に表している。

 最も影響を受けるとみられているのは、GeForce 9800シリーズ搭載カードだ。フェイス パーツ館は「次世代のGeForce GTX 280が登場したことで存在意義がなくなり、さらにはコストでも性能でも勝ると評判のRADEON HD4850もデビューしてしまいました。私どもとしては赤字覚悟で特価セールを打つしかないですね」と、近日中に在庫一掃の特価販売を行うことを示唆していた。
 また、別の店員さんはさらに過激だ。「正直、GeForce 9800シリーズに関しては“今すぐにいなくなれ!”という感じです。別に悪い製品でもないですけど、現在の状況としては、ね。TSUKUMO eX.さんでも特価セールを始めたそうですが、ウチも続くでしょうね」という。

古田雄介のアキバPickUp!より(6月22日)


 GeForce 9800 GTXと後述するRADEON HD 4850のヒットであおりをうけたGeForce 9800シリーズは、各ショップで特価販売が始まっている。某ショップは「店舗レベルで赤を切ってでも早く放出したい。NVIDIAとAMDともにGPUの発表から発売までほとんど時間がなかったので、在庫調整ができなかったのが正直なところ。勘弁してほしいですよ」と漏らしていた。

5分で分かった気になる、6月のアキバ事情より(7月2日)



 そしてさらに間の悪いことに不安材料が......

エヌビディア、5-7月期の売り上げ見通しを下方修正
 ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)グラフィックス・メディア・通信用半導体メーカーの米エヌビディア(Nasdaq:NVDA)は2日、5-7月期(2009年1月期の第2四半期)の売り上げ見通しを下方修正した。理由として、世界の最終需要家市場の弱さ、次世代メディア・通信用プロセッサー(MCP)の増産の遅れ、画像処理半導体(GPU)の価格調整を挙げた。(中略)
 エヌビディアはそのほか、既存シリーズのGPUとMCPの一部バージョンに見つかったダイ・パッケージング素材の弱さがもたらすと予想される保証・修理・返品・交換の費用をカバーするため、営業費用にかかわる特別費用として5-7月期に1億5000万-2億ドルを計上する予定とした。同社は、そうした製品を搭載したノートパソコンの一部に「通常より高い割合で」不具合が生じている、とした。
 エヌビディアはこの問題についてサプライチェーン側と話し合っており、保険による補償を求めている。同社は、異なる素材による製造に切り替えたほか、GPUの発熱管理を向上させることに取り組んでいる、と述べた。



 というように、今回のGPU戦争はAMD(旧ATI)が制したといってよいだろう。ワタシ自身はもうあんまりゲームとかやらんのだが、Radeon HD4870はちょっとほしいかな~と思ってしまった。2ちゃんねるの自作板とかウェブに掲載されているRV770のアーキテクチャとかの説明を読んでいると、よくわからないのだがなんだかすごそうという感じがしてイイ。(たぶんRadeonシリーズを使い続けていたこともあり、ちょっとひいき目でみているのだろーけど)

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【2008/07/05 11:58】 | コンピュータ
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