米国けんきゅうにっき 青いタンパク質をこぼした日
学位取得後、研究者として米国へ。このさきどのようなことが待ち受けているのでしょうか?
 また研究の話題。

 今、論文投稿のための実験準備をしている。そのためにはある青い色のタンパク質が必要なので、先週から精製をしていた。

 このタンパク質もAchromobacter cycloclastesという細菌の遺伝子にコードされているのだが、この細菌から直接精製するのは骨が折れるので、大腸菌発現系を利用している。そういうわけで、先週は亜酸化窒素還元酵素の精製の合間に、大腸菌の培養をしていたわけ。こっからはまた備忘録ね。



 まず大腸菌ということなので、前々回のエントリで触れたFrench Pressではなく、Sonicatorという装置をを用いることで、超音波により細胞壁破砕する。基本的にFrench Pressよりも破砕効率が悪いので時間がかかるが、精神衛生上はるかに安心できる。時間がかかるようならプロテアーゼ阻害剤カクテルを入れるべきなんだろうけど、4℃で作業するから割愛。でもデオキシヌクレアーゼは入れておく。核酸はとっても粘度が高いのだ。

 得られた溶菌液はやはり遠心器を用いて毎分19000回転で30分かけて大まかに不溶成分を分離。上澄み液はたいてい黄色みがかかったものとなる。この上澄みに硫酸アンモニウムを徐々に加えて、不要な成分を沈殿させる(これを硫安沈殿という)。十分に攪拌後、また遠心分離して上澄みを得る。この時点でも色はまだ黄色なのだが、これにフェリシアン化カリウムという酸化剤を加えると、緑色になる(ちなみにフェリシアン化カリウムの溶液は山吹色)。

 この溶液は非常にイオン強度が高い(塩濃度が高い)ので、透析することで塩濃度を下げる。そうじゃないとイオン交換カラムにロードしても、樹脂にタンパク質が吸着せずただちにカラムから流れ出てしまうのだ。目的のタンパク質はpH6.0では正に帯電しているので、SP-Sepharoseという樹脂表面にスルフォプロピル基という負に帯電した官能基を担持させたカラムにロードすることで分離する。このタンパク質の場合、2回、この強陽イオン交換カラムで分離することで高純度のものを得ることができるのだが、さらに分子サイズでよりわけるSuperdex200で分離することで、より高純度のタンパク質を得る。




 さて昨日のことだ。上述の2回目のSP-Sepharoseで青いタンパク質を分取しているときに、チューブがフラスコから外れてしまい、総量の約2/3を失ってしまった。かなりショックだ|||l_| ̄|○l|||


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【2010/02/09 08:04】 | 研究
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