米国けんきゅうにっき 嫌気雰囲気下でタンパク質の精製
学位取得後、研究者として米国へ。このさきどのようなことが待ち受けているのでしょうか?
 タイトルの内容について詳しく書く気は毛頭ないのだが(ってゆーか超毒吐きますが)、今日、久しぶりにFPLC(Fast protein liquid chromatography)を使っていて気がついたことがあった。

 まずポンプのシーリング(弁当箱のパッキンみたいな樹脂製のもの)を保護するためにプランジャー部(注射器の引っ張る部分を連想してくれ)に20%のエタノールを入れておくのだが、それが枯れていた。確か年末年始にこっちに残って実験をやっていたと思われる日本人学生がFPLCを使っていたのだが......まあそれは知らなかったんだろうと思い、今回はその辺について注意しておいた。

 まあここまではいい。さて夕方になってスーパーループ(これもFPLCの部品。タンパク質をカラムに導入するときに使うモノ)に洗浄用の緩衝溶液を導入していたときのこと。なんだか黄色い液体がインレットの方から漏れてくるんだな~。不審に思ったのでポートの部分を分解してみたら、今度は青いタンパク質と思われるモノが固化していて、その金属製のポートとスーパーループへの経路の間に隙間を作っていたみたい。そんでそこから緩衝液が漏れてきたんだろう。そんで前回使っていたと思われるその日本人学生にもう一度、注意。黄色いのはカレの使っているタンパク質の残骸ではないかというと、「フェリシアン化カリウム(酸化剤)じゃないですかね~」と。それならなおのこと悪いわ!!ワタシは還元雰囲気でタンパク質を精製してるんだからさぁ、そんな酸化剤なんかが経路にあったら一発で精製中のタンパク質が台無しじゃん。運良く、自分のタンパク質をロードする前に洗浄したけどさ。
 とりあえず、高濃度のタンパク質をFPLCにロードした場合はかならずポート部分を洗浄するように指示する。

 さて今日最後になって、ワタシの精製中のタンパク質をMonoQカラムにロードしようとしたその矢先の出来事......なんだかカラムの上から1/3がものすごーく汚いんですけど。これまた例の日本人を呼び出して確認する。たしか、昨年末にワタシが使ったときはここまで汚くなかったはずだし、こんだけ汚かったらワタシなら化学洗浄か酵素洗浄をする。そんでどーいうことか聞いたら、返事は「洗いましたよ」と。まあいいんだけどさ、さらにオレ様が使った後で汚くなったんではといわんばかりに、最後にワタシがFPLCを使った日時を聞いてきた。




 学生だからユルされるという甘い認識なんだか知らないが、まあカレはダメだな。今日のこの日本人学生のブログも読んでみたが、ウチのボスもワタシもさんざんヒントを出してたじゃないってことに未だにあーでもないこーでもないみたいなことが書かれていた。
 
 はっきり言おう。こんな状態で博士号を与えていいのか?上述の実験のこともそうだが、もっと多角的な視点を養わなければ将来、大変なことになりそうな気がするんだが。

 ちょっと実験をやったとか書かれているけどさ、その実験はちゃんと全身全霊をかけて行っているか?音楽聴きながらとかじゃなくて、ちゃんと物事の現象をしっかり観察してさ。片手間でなくちゃんと一所懸命に考えて実験してるなら、グローブボックス内に氷を入れるとか(冷やしたいならアイスパックを使うとかの工夫をするとかさぁ)、酸素センサーの読み値を一切気にせずに作業を始めるとかはないんじゃないかね。もしその残存酸素濃度がやっている実験に有意に影響を与えるんだったら、ブログでこねくり回している結果やそれの考察もまったく意味をなさないぜ。

 その片手間の実験が自身のみに降りかかってくるんならいいけどさ、それこそ上述のようにワタシの精製中のタンパク質が台無しになりかねなかったわけだから、多かれ少なかれ他人にも影響を与えるんだわさ。

 実験が好きだから自分はこの道に向いているとか思うのは結構だ。ただもっと他の人の動向とかも見てもらわないとね。研究は個人の戦いだとかどっかで書いていたけど、それでも他者との協調は重要なんだよ。それだから研究の道を進まない大学院生も社会でやっていけるわけだな。まあ馬の耳に念仏なんだろーけどね。


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【2011/02/07 23:47】 | 研究
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