米国けんきゅうにっき 一般向けプレゼンとわ?
学位取得後、研究者として米国へ。このさきどのようなことが待ち受けているのでしょうか?
 昨日の実験(タンパク質に青酸ナトリウムを滴定する実験)はずいぶん遅くまでかかった。このこと自体は予想していたので、自宅からRedBull(Kim曰く、nasty stuff)を持ってきていたのだが、ジェニターのBobがツナサンドをくれたので助かった。

 さて実験をしている最中にふと一般向けのプレゼンテーションについて考えていた。この間の学科のプレゼンはできるだけ、一般の人たちが興味を持つような導入スライドを作って、結構な時間をかけて背景を説明したのだが、下の階の日本人ポスドクの方はそこまで必要ないんじゃないかと言っていた。それを裏付ける様に、先週にあった大学院生のプレゼンは非常に簡単な背景のみに留まっていたのだが。

 そんで思ったんだよね。もしどこかの大学からインタビューのオファがあった場合。あんな簡単な背景説明だけでいいのだろうか?と。個人的にはマズいんじゃないかと思うわけで、試しに自分の博士論文のネタをしゃべるときの導入部を考えていたわけだ。

 まあワタシは錯体化学が専攻だったのだが、特に博士後期課程では配位子(金属に結合する有機化合物)の開発に注力していた。で、その配位子の重要性について錯体の知識のない一般人にどーやって興味を持たせるのを考えていたのである。

 常套手段としては身近に使われているものを例に出すことなんだけど、特に配位子が主題の場合、ちょっとした錯塩の歴史を取り上げるのがいいんじゃないかなと。だから錯体化学において配位子としてあまりに有名なシクロペンタジエニル配位子(Cp配位子)を例に出す場合、初めて構造が決定された有機金属錯体であるフェロセンなんかを示してやるとか。でもたしかにこのフェロセン、化学の発展(フロンティア軌道論とか電気化学の標準物質とか)に大きく貢献はしたんだけど、いまいち一般に浸透しているのかといえば疑問なんだよね。だって一般人から見ればタダの毒だし。

 次に思ったのがCp配位子をもつ錯体を使って工業化に成功した例とかないかなと思ったんだわさ。でも久しぶりにそんなことを考えていると、博士課程の指導教官に怒られそうだが、な~んにも思い出せん!!たしかモンサント法(酢酸の工業生産プロセス)やワッカー法(アルデヒド生産の工業プロセス)で有機金属錯体が使われてたなぁ~と思ってたんだが、メタロセン(Cp配位子をもつ遷移金属錯体)を触媒としたのはすぐにみつからんかった。

 そういえば博士の同期がエチレンの重合触媒の研究してたなぁと思い出して、ちょっとヒントになったのだ。エチレン重合といえば、たぶん化学を専攻してた学生なんかはチグラー・ナッタ触媒なんて聞いたことがあるんじゃないかね。その発展ってゆーかメタロセンを使った触媒、カミンスキー触媒ってのがあるんだね。

 ただこのカミンスキー触媒は確かに工業化されたけど、それにポリエチレンなんて一般に浸透している製品なんだけど、これを導入部に紹介しても大丈夫なのかしらん?と思ったので、下の階の日本人ポスドクの方にカミンスキー触媒を知っているか聞いてみたわけ。まあ結果は知らないと......軽くショックだったが、まあ分野が違えばそんなもんかい。

 ポリエチレンなんて巷でありふれた製品と配位子を結びつける良い話題なんだがなぁ。確かにワタシのD論とカミンスキー触媒は全く接点がないんだが、配位子の重要性を説く上で良い例になるわけだ。ただワタシはCp配位子の研究をしてたわけではないので、そこのつながりをどのように説明するかも重要なんだよね。そんで最終的に一般社会にどういった形でフィードバックできる(可能性がある)かとか。

 まあウダウダ考えていたわけだが、もうD論の話は割愛しちまうかとも思ったり。もうちょっと考えてみますわ(^_^;A


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【2011/03/01 12:52】 | 研究
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