米国けんきゅうにっき 次の勤め先
学位取得後、研究者として米国へ。このさきどのようなことが待ち受けているのでしょうか?
 ちょっと間が空いてしまったこのブログ。ちょうど1月ほど前に南部の大学からvisiting facultyのジョブオファをもらってからいろいろとありました。

 まず現ボスと前ボスに意見を伺ったところ、真っ向から分かれたんだな。東海岸の元ボスは”visiting facultyでteachingの経験を稼げば次のキャリアステップに結びつき、次のポジション探しに有利に働く”ということだったのだが、現ボスは”その南部の大学でvisiting facultyをやるのはリスクが高い割に、リターンが少なすぎる”という意見だった。特にその南部の大学は一般化学と無機化学、生物化学を教えるのが義務になるんだが、授業を受け持ったことのない人間が最初にteaching experienceを稼ぐにはあまりにチャレンジングだとのこと。まあ確かにその通りなんだが......現ボスのスタンスとしては、研究をこれからも生業にしていきたいならば、その南部の大学でテンポラリなポジションを選ぶんではなくて、どこか良い大学のポスドクなどのポジションを選んだ方が良いということ。そして、もしそこでtenure-trackを得られなかったら、そこでデッドエンドだぞとも。もっともな話だと思うんだが、Montanaでの過去を振り返ってみると、決して研究活動が活発だったか(つまり論文をちゃんとコンスタントに出せていたか)といえば、そうではなかった。(だからここから出て行くというのは、個人的には大前提なんだ)それも鑑みてのvisiting faculty(すなわちteaching主体のポジション)という選択だったのだが、あまりにボスが強くその南部の大学を薦めなかったのでずいぶん悩んだわけさ。

 他の意見として、たまたまGSでガソリンを入れていたMichealを見かけたので聞いてみた。彼は一昨年からButteにあるMontana Techでfacultyとして働いているのだ。彼は即答でMichiganに行くべきだと進言してくれた。特に彼はMontana Techで苦労しているらしく(オファをくれた南部の大学はMontana Techと似たような規模。レベルの大学)、今のボスと同じような意見であった。

 まあいろいろあったんだが、結果としてもう一回、ポスドクをすることにした。これで米国では3つめのポスドクとなる。(日本でのポスドクを含めれば4つめだ)ただし、今回の大学は米国でも高ランキングの大学、University of Michiganである。Johns Hopkins(実はこの大学のポスドク先も現ボスから紹介してくれたんだが、こっちは断った)とともに米国の医療技術を担う大学であるんだが、まさに今回のポスドク先はmedical schoolの麻酔学科(Department of Anesthesiology)。大学院で錯体化学をやっていたのに、ここまで大きく分野が変わるとは思ってもいなかったわ。

 Michiganの先生とは2,3回、電話インタビューをして先方はワタシを評価してくれたみたいで、オファをいただいた。南部の大学を断った翌日のことである。ちなみに一応、teachingをすることはできるか聞いてみたんだがその機会は皆無らしい。(この質問がワタシにオファを出すことの懸念材料になったらしく、何度か電話インタビューをすることになった)まあ、UMに行くんだから、研究に邁進せよという天の声だろう。

 さて決断をしたので、ここでの仕事のまとめに入らなければならなくなった。現ボスは秋口まで居てほしかった模様だが、UMの先生ができるだけ早く来てほしいということだったので、Montanaの最終日は8月10日とし、19日までにUniversity of Michiganに着任することと相成った。そうなるとここでの時間はあと2ヶ月。まだ出していない論文は3つあるんだが、ここに来て阻害剤のデータの洗い直し、EPRの測定が必要となった。後者は液体ヘリウムが届いたので今月末には測定できるんだが、ウチの学生がこれまた最悪のタイミングでS200カラムを壊してくれましたわ。タダでさえ6時には帰るヤツが、誰も頼んでないのに慣れない徹夜なんかするからとは思ったが......まあ仕方ない。この逆境をなんとしても乗り越えねば!


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【2011/06/24 19:55】 | 研究
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