米国けんきゅうにっき 机上論と現場とでも言おうか
学位取得後、研究者として米国へ。このさきどのようなことが待ち受けているのでしょうか?
 うちのラボは毎週月曜日にレポートを提出することになっており、おとといは今年初の提出日である。PIからは論文形式にのっとり(つまり目的と背景、実験項、結果、議論そして結論)書くように言われており、毎回それなりに時間がかかる。(はっきり言って、提出しても目的と結論しか読んでないことが多々あり、かなりキレ気味なのはナイショの話である)今回は土曜のうちに半分くらい書き上げていたので、月曜に仕上げるのは比較的楽だった。そんで提出後の帰宅直前に論争になるのは毎週の恒例イベントだ。ワタシは大体7時ごろのバスに乗れるようにラボを出るのだが、この帰宅直前に何か言いに来るのがミソでよくバスを逃すことがある。(その場合、妻に迎えを頼むことになる...いつも助かります。)

 今回は幸いにしてちょっと早めにやってきたのでバスには乗ることができたが、相変わらず激しい(もといくだらない)論争となった。つーか、無茶なというか非現実的な提案をしてくるのに対して反論する自分も悪いんだけどね。

 今日の発火点は超音波破砕のやり方について。簡単に言うとタンパク質を精製するときに最初にたんぱく質を含む細胞を破壊して中からそれを取り出すのだが、その際の破壊法のひとつに超音波を使うものがある。タンパク質は熱に弱いのだが、この超音波発生器は結構な熱を出すので、細胞・タンパク質を含む縣濁液は冷やさなければならない。さてその温度であるがワタシは破砕中は7度以上にならないように注意している。しかし、あまり短時間しか破砕しないと細胞を十分に壊せないし、長時間すぎるとタンパク質が変性してしまうわけだ。ちなみに破砕時の超音波発生器はものすごい騒音を出すため、同僚たちは部屋のドアをしめて、外で待っている。まあ温度をモニタしてないわけだ。私は破砕中も装置のそばにいて縣濁液をかくはんしながら細胞を壊している。もちろん耳栓してるけどね。

 そんな状況でPIがもっと温度を下げろというわけだ。これ以上温度を下げたら、短時間しか超音波をかけられないので、必然的に超音波をかける回数を増やさなければならない。イコール、破砕というステップに長時間かかることになる。ちなみにあんまり長時間かけていると、やはりタンパク質の変性が始まるのだが、この辺のバランスを考慮して実験をするわけだ。その辺の感覚は実際にやってみないとわからんわけだが、それを近視眼的に温度を下げろとか言ってくることにムカってきたってわけだ。まあ我ながらくだらね~ことでいちいちキレんなよとは思うんだがね。まあいろいろな積もり積もった事情もあるわけよ。

 こんなやり取りの終わりは大抵、実験がヘタだとかもっと効率的にやれとか、やっていることの背景を理解してやれとか、愚にもつかないコメントが返ってくる。ほかにも以前に、推薦書はすごくよく書かれていたのに、非常に失望しただのとか言われたな。この一言はワタシによそに移ることをとっても促したのだ。


 ここで愚痴っても仕方ないことだが、とりあえず備忘録として書いておくわ。

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【2013/01/09 08:21】 | 研究
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