米国けんきゅうにっき カオスな日々である
学位取得後、研究者として米国へ。このさきどのようなことが待ち受けているのでしょうか?
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 Mぽんが一時帰国したので、昨日からひと月の独身生活が始まった。そんな彼女は今朝、何事も無く日本の実家の着いた模様。


 さてここからジョブサーチ、本腰いれないと~、と思っている矢先にボスが月曜レポートのことで近寄ってきた。まあ詳しく書くと愚痴になるので、追記の方に書いておく。


 今日は、昨日仕込んだPCRで得られたコンストラクトを形質転換させてプレートにまいたものの確認と先週、得られたコンストラクトのシークエンス、そしてピノリンを使った速度論の続きだ。あと来週から精製するために疎水カラムをイオン交換水で洗浄中。これは最低、30リットル洗わないと界面活性剤をレジンから除ききれないので、タンパク質がうまく結合しない。だからこの洗浄はワタシの確立したプロトコルにおいて重要な過程である。


 今週末は同僚の女性の結婚式に参加する。だから土曜はプレゼンの準備にあまり時間を割けそうにない。


 月曜レポートは2つのトピックを提出。一つは精製の結果と、もう一つはこの間触れたピノリンの基礎的な速度論データ。その後者のデータに食らいついてきた。


 まずピノリンはすでに期待の速度論的挙動を示さないことがわかっているので、ボスはもう興味を失っていた。しかし、ワタシとしては今後のプレゼン(特にジョブサーチの)のために試した基質の基礎データは取っておきたかったので、滴定による解離定数の決定および基質濃度依存をまとめてレポートにしたというわけ。そーしたら、時間のムダだからやるなと言うわけだ。


 もちろんほかにやることがあれば優先するのはやぶさかではない。しかし現状、ボスの言うシトクロムb5とP450の相互作用に関する研究はうまくいっっていないと言って良い。ボスはプロポーザルでこのシトクロムb5に対するワタシが扱っている酵素の非感受性はすべてのP450に共通のスレオニン残基の隣にある酸性アミノ酸の欠如にあると仮説を立てていたのだが、この酵素上の対応残基をグルタミン酸にミューテーションしてやると、活性が大きく下がるのである。それどころか、疎水場のただ中にグルタミン酸を導入したので、精製段階で非常に不安定(=簡単に昇温でP420になる)になってしまった。この時点でボスのたてた仮説を支持する材料は無くなったわけだ。


 またシトクロムb5によるP450活性の阻害作用が定常状態下での代謝反応で観測されたので、この阻害反応の律速段階を同定するためにストップドフローを使った速度論分析を行っていたのだが、これも6月にぶっ壊れたままで直っていない状況だ。これは英国の会社の装置なので、向こうのサポート曰く、こちらに送り返してくれとのことだったのだが、ボスが執拗に化学科の電気工作室で直してもらえというから、そっちにみてもらっているのだが、未だに直っていない。


 まあつまりボスの言うところの興味を満たすような実験はすぐにはできないというわけだ。そういうわけでこれまで食い散らかしたデータをきれいにまとめようとしていたのである。


 むかつくのが、以下の言い回し(忘れないようにココに記しておく)。

ボス "I am not interested in this, so don't waste time. You need to purify more protein."
ワタシ "I am interested in this. Please tell me why we need to have more protein, 'cause I do have enough amount of protein for at least stopped-flow."
ボス "I'm not interested. If you don't listen to me, you need to leave here because you are paid."
ワタシ "Please give me the answer what experiment you are exactly expecting, because I'm not gonna listen to you as long as you say, 'you need protein. I need to know what plan you are thinking."
ボス "You need to purify protein using the method which you have recently developed."


 本来なら、金はらって雇ってるんだから、言われたことしかやるなんて...こんなこといっちゃいかんよね~(昔、日本でおんなじことを言われたことがあるが)。ほかにもいろいろとやるべきことをボスが言ってくる。しかしその言ってくること、ほとんど終わらせているんだな。例えばpH依存性を見てみろとか言われたが、すでに3ヶ月前の月曜レポートで報告しているというと、パブリッシュできるじゃない!とトンチンカンなこというし、シトクロムb5存在下での定常状態条件、基質から生成物へのコンバージョンとか確認しろと言われたのだが、これも数ヶ月前にやっているのでデータを提示すると(要するに覚えていないか読んでない)それを見てまた黙って考え出すし...


 まじめにアタマが痛くなってくる。しまいには結晶学者の同僚と結晶構造を見て、どこをミューテーションすればいいか考えてみろとか言い出すんだが、これこそトライアンドエラーのような気がするんだわ。考えてうまくいくんなら、上で触れたミュータントでうまくいくはず。それをミューテーションの場所を議論してから、コンストラクトを作れなんて、それこそ時間の無駄だ。コンストラクトを作るのにシークエンスまで調べるのを考えれば1週間もあればできる。だから人海戦術的にやった方がまだ効率が良い。まあ個人的にはミュータントをつくりまくって調べる実験なんて前時代的だと思うけどな。


 まあ今日あった出来事に対する備忘録である。



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 月曜レポートは2つのトピックを提出。一つは精製の結果と、もう一つはこの間触れたピノリンの基礎的な速度論データ。その後者のデータに食らいついてきた。


 まずピノリンはすでに期待の速度論的挙動を示さないことがわかっているので、ボスはもう興味を失っていた。しかし、ワタシとしては今後のプレゼン(特にジョブサーチの)のために試した基質の基礎データは取っておきたかったので、滴定による解離定数の決定および基質濃度依存をまとめてレポートにしたというわけ。そーしたら、時間のムダだからやるなと言うわけだ。


 もちろんほかにやることがあれば優先するのはやぶさかではない。しかし現状、ボスの言うシトクロムb5とP450の相互作用に関する研究はうまくいっっていないと言って良い。ボスはプロポーザルでこのシトクロムb5に対するワタシが扱っている酵素の非感受性はすべてのP450に共通のスレオニン残基の隣にある酸性アミノ酸の欠如にあると仮説を立てていたのだが、この酵素上の対応残基をグルタミン酸にミューテーションしてやると、活性が大きく下がるのである。それどころか、疎水場のただ中にグルタミン酸を導入したので、精製段階で非常に不安定(=簡単に昇温でP420になる)になってしまった。この時点でボスのたてた仮説を支持する材料は無くなったわけだ。


 またシトクロムb5によるP450活性の阻害作用が定常状態下での代謝反応で観測されたので、この阻害反応の律速段階を同定するためにストップドフローを使った速度論分析を行っていたのだが、これも6月にぶっ壊れたままで直っていない状況だ。これは英国の会社の装置なので、向こうのサポート曰く、こちらに送り返してくれとのことだったのだが、ボスが執拗に化学科の電気工作室で直してもらえというから、そっちにみてもらっているのだが、未だに直っていない。


 まあつまりボスの言うところの興味を満たすような実験はすぐにはできないというわけだ。そういうわけでこれまで食い散らかしたデータをきれいにまとめようとしていたのである。


 むかつくのが、以下の言い回し(忘れないようにココに記しておく)。

ボス "I am not interested in this, so don't waste time. You need to purify more protein."
ワタシ "I am interested in this. Please tell me why we need to have more protein, 'cause I do have enough amount of protein for at least stopped-flow."
ボス "I'm not interested. If you don't listen to me, you need to leave here because you are paid."
ワタシ "Please give me the answer what experiment you are exactly expecting, because I'm not gonna listen to you as long as you say, 'you need protein. I need to know what plan you are thinking."
ボス "You need to purify protein using the method which you have recently developed."


 本来なら、金はらって雇ってるんだから、言われたことしかやるなんて...こんなこといっちゃいかんよね~(昔、日本でおんなじことを言われたことがあるが)。ほかにもいろいろとやるべきことをボスが言ってくる。しかしその言ってくること、ほとんど終わらせているんだな。例えばpH依存性を見てみろとか言われたが、すでに3ヶ月前の月曜レポートで報告しているというと、パブリッシュできるじゃない!とトンチンカンなこというし、シトクロムb5存在下での定常状態条件、基質から生成物へのコンバージョンとか確認しろと言われたのだが、これも数ヶ月前にやっているのでデータを提示すると(要するに覚えていないか読んでない)それを見てまた黙って考え出すし...


 まじめにアタマが痛くなってくる。しまいには結晶学者の同僚と結晶構造を見て、どこをミューテーションすればいいか考えてみろとか言い出すんだが、これこそトライアンドエラーのような気がするんだわ。考えてうまくいくんなら、上で触れたミュータントでうまくいくはず。それをミューテーションの場所を議論してから、コンストラクトを作れなんて、それこそ時間の無駄だ。コンストラクトを作るのにシークエンスまで調べるのを考えれば1週間もあればできる。だから人海戦術的にやった方がまだ効率が良い。まあ個人的にはミュータントをつくりまくって調べる実験なんて前時代的だと思うけどな。


 まあ今日あった出来事に対する備忘録である。


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【2013/08/21 21:04】 | 研究
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