米国けんきゅうにっき 知的好奇心をなくしたその日のために
学位取得後、研究者として米国へ。このさきどのようなことが待ち受けているのでしょうか?
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

 さてこのラボにきてからすでに2年と半年になろうとしている。そして自分的にここにいる間に片付けたいテーマかつ投稿できそうなネタは以下の通り。

1. 扱っているタンパク質の精製法とその同定(フルペーパー)
2. b5というタンパク質による阻害作用(速報)
3. 変異体タンパク質の特異な速度論的挙動(速報)
4. 変異体の構造(フルペーパー)

 1から3までは1~2ヶ月もあればデータは揃うだろう。4つめもタンパク質を精製したら同僚の結晶学者に○投げする予定だ。


 ところで上のデータなんだが、個人的にはちっとも琴線にふれないし世間にも貢献しないと思う。だから1はIF、ナニソレ?みたいなジャーナルにしか投稿できないだろう。ただ2や3の速報を投稿するときにサプリメントに全部押し込んで出すより別論文にして引用するべきだと思うから。(これはウチのボスの悪いところで、データをできるだけ一つの論文に詰め込もうとする。その結果、議論が分散してしまい、ナニを言っているのかわかりにくくなるわけだ。)4つめは同僚の努力によるな(^^)



 ナゼこんなこと、今言い出したのかというと、昨日のボスとのディスカッションである。ええ、はっきり言って絶望しました。あんまりにワタシがコレまで信奉してきたものとボスのポリシーとのあまりに大きい隔たりにだ。これはもはや修正不能と感じた。そしてこの現状は日本にいた頃のシチュエーションよりもかなり悪い。



 というわけで今まで躊躇していたvisiting facultyへの公募も積極的に出すしかないな。


 さ~て、毒吐きますよ~

(注)たぶん不快になると思うので、追記は読まないほうが良いでしょう。それでも気になる方はどうぞ。




 さて2の阻害作用をより詳細に調べるため、ミカエリスプロット(基質濃度に対する酵素活性のプロット)を阻害タンパク質共存下で測定していた。これは教科書にも載っている一般的で伝統的な手法である。これを3つほど異なる阻害タンパク質濃度でそれぞれプロットを取ってやると阻害定数なるもの(Kiと表記されるもの。実態はタンパク質と阻害剤ータンパク質複合体の解離平衡定数である。)を見積もることができる。そしてこの阻害定数は酵素活性をもつタンパク質に対してどれだけ阻害作用をもたらすかを示す指標となるわけだ。ただこの実験は意外と骨が折れる。ミカエリスプロットを取ってミカエリス定数を決める場合、通常、10点前後の異なる基質濃度で酵素活性を求める。確からしさを得るため、最低でも各基質濃度ではワタシの場合、最低三回の反復測定を行い標準偏差を出す。だから一つのミカエリスプロットを得るためには単純計算で最低でも30回の測定が必要となる。そして最初に書いたように3つの異なる阻害剤濃度でミカエリスプロットを取ることになるので、合計で90回、阻害剤なしも含めれば最低120回の測定となるわけだ。


 ちなみにウチの過去10年の論文を見ると、この方法を使った実験結果は見たことが無い。たぶんだけどタスクインテンシヴの実験をしたがらないんだろうね。代わりに、基質濃度を固定して阻害剤濃度のみを5点ほど振って、酵素活性が下がったから、阻害作用があると言っている。まあ阻害という現象にフォーカスしないんなら、それでいいんだけどね。ただこの場合、阻害様式(competitiveとかuncompetitiveとか)を同定できないし、阻害定数も当然、決定できない。しかし2のテーマは阻害作用を主眼に置いているので、阻害様式や阻害定数の議論は避けられないだろうというのが私見である。


 そして昨日。そのプレリミナリーデータを週間レポートに書いたわけである。そうしたら、まず何でその実験をやる必要があるのか?と問われた。これまでのように基質濃度を固定して阻害剤濃度のみを5点ほど振って、酵素活性が下がったから、阻害作用があるで十分だと。このデータだと速度の阻害しか見ておらず、基質とタンパク質の親和性に関与する阻害作用はまったく見ていないことになる。すなわちもし阻害様式がcompetitiveモードだったりVmaxの阻害剤濃度に対する変異が小さい場合、この実験デザインでは評価できないことになる。そしてワタシが査読するならそこをつくね。ちなみにその実験はすでに済ませてあり、ずいぶん前にデータを提出している。上にも書いたように、論文の主張を阻害作用にフォーカスするなら、それだけだとオレが査読者ならリジェクトすると思う。そしたら、この阻害作用を決めるのに1日で全データを出せないなら、信用に値しないと言い出す始末。言い換えれば120サンプルを1日でヤレである。しかも3点測定はいらない、2点でいい。(それだと80点になるが、統計的標準偏差が意味を成さなくなる)到底、看過できないわけである。


 それ以前になのだが、上述の阻害定数決定の実験を理解していないくさい。各阻害剤濃度共存下でそれぞれのミカエリス定数が決定されるから、その挙動から阻害様式を同定できるといっても、意味がないの一点張りである。それよりも他に言った実験をやれというわけだ。(当然だが、それも平行して進めているし、ストップドフローはまだ同僚が占有中である。)やったことの無い実験なのかね?聞く耳持たないって感じだ。つーか、生化学の基礎の基礎じゃねか!どこまで○ソなんだ!?



 朝早くから夜遅くまで実験している割に、他のヤツらが終わらせられる実験を終わらせられないなんて理解できない、とかいいだしたよ、オイ、コノヤロウ。だいたい、他のヤツらがこのレヴェルでこのクオリティのデータを出しているのかと小一時間問い詰めたいね。他のヤツらのデータとか知らんけどさ、少なくともくっちゃべりながら実験しているやつと比較してのその暴言だからな。データの質は二の次で実験が速ければいいってことかい?その割にはこの3年ほど論文出てませんけどね。


 次にミカエリス定数の決定は37℃で行ったのだが、分光器による解離定数の決定は30℃で行っている。これは以前にボスに温度が違うからマズいんじゃないか?と聞いたんだが、そのときはノットマッチディファレントとか言ってたのでフーンと思ってたわけだ。だか今日になってアップルとオレンジは比較できないでしょ?と言い出す始末。アイトールジュ!だいたいオメーの論文どれみても一定の温度で測定してないじゃねえか。(オートオキシデーションは15℃なのにステディステートは30℃とか、バッファも違ったな)このへんのすり合わせはどうしてたんよ?それに実験的制限とかもあるし、そういうのは無視かい!?というと、その場合は論文でステートメントすればいいと...今は論文の書き方の話じゃねぇえし、そんなこと言われなくてもわかっている。



 そうこう悶着しているうちに、結構時間が経ってきたので、ボスが時計を一瞥する。それを見て、もし予定が詰まっていたらすまないと社交辞令を言うと、この議論が私の時間をムダにしているという始末だ。まあ売り言葉に買い言葉なのかもしれないが、PIが言う言葉じゃねーな。だいたい、オメーがディスカッションを吹っかけてきたんだろうが。



 まあとにかくこの実験はやめろで結論。さらにもう2年半になるのに未だに実験手法がわかってないだのと言い出す。オイオイ、オマイが雇ってきたポスドクどもがどれだけプアなのかわかっているのか?楽な実験しかしないし、研究の意義とかまったく考えてなくて実験してるぞ。そもそも、オレのこれまでの経験をディスる資格はオマイにあるのか?阻害定数の意味とか考えるの放棄しているくせに。いい加減アタマにきていたんだが、なるべく落ち着く。「オレのやったこと、信用無いんなら、それはそれでイイッすよ。」とかろうじて搾り出すと、さすがにマズいと思ったのか、そうは言ってないとエクスキューズを言い出した。まあいいんだよ、もうナニ言われようとも。もう、アンタとオレの進む道は全く交わることはないからね。



 さて怒りも最高潮に達していたが、なんとか我慢していると、今度は質量分析のサンプル返却について話し始めた。まあこれもぶっちゃけどうでもいいんだが、サンプルと一緒に渡した標準物質が全部使い切られたことを気にしている様子。そんなのしらねーし。標準物質は自前で合成したから貴重なんだとさ。そんなもんいくらでも作ってやるよ。(合成法見たら、塩酸化物と一級アミンを反応させた後に水素化アルミニウムリチウムで還元ってしょっぱい合成だわ。同僚は空気中で作ったとか言ってたが、無知ってこえぇな。下手したら爆発するぜ。)先方を弁護するために、一応、HPLCの分離能を上げるために条件を煮詰めたんじゃね?と言っておいた。それでも納得してない様子。たぶんだけど、ウチのボス、実験の経験がかなり乏しいんだろうな。ここアメリカのファカルティの弊害でもあるが...


 つぎにすでに116回目に達する週間レポートについて。そこだけはナゼか褒める。もうベタ褒め。ワタシのライティングがボスのなかで基準値以上なのだろう。つーか他のポスドク(全部、外国人だし)のレポートを読んだことが無いから知らんが、よっぽどヒドいのかね?


 最後にジョブハンティングの進捗について聞かれた。いいかげん、これってハラスメントじゃね?と思うんだが。


 解放されたときにはちょっと疲れ果ててボーっとしてたが...帰宅途中に怒りがこみ上げてきました。そのおかげで昨夜は眠れなかった。この日の怒りを忘れないように、ここに記しておく。




追記を閉じる▲
 さて2の阻害作用をより詳細に調べるため、ミカエリスプロット(基質濃度に対する酵素活性のプロット)を阻害タンパク質共存下で測定していた。これは教科書にも載っている一般的で伝統的な手法である。これを3つほど異なる阻害タンパク質濃度でそれぞれプロットを取ってやると阻害定数なるもの(Kiと表記されるもの。実態はタンパク質と阻害剤ータンパク質複合体の解離平衡定数である。)を見積もることができる。そしてこの阻害定数は酵素活性をもつタンパク質に対してどれだけ阻害作用をもたらすかを示す指標となるわけだ。ただこの実験は意外と骨が折れる。ミカエリスプロットを取ってミカエリス定数を決める場合、通常、10点前後の異なる基質濃度で酵素活性を求める。確からしさを得るため、最低でも各基質濃度ではワタシの場合、最低三回の反復測定を行い標準偏差を出す。だから一つのミカエリスプロットを得るためには単純計算で最低でも30回の測定が必要となる。そして最初に書いたように3つの異なる阻害剤濃度でミカエリスプロットを取ることになるので、合計で90回、阻害剤なしも含めれば最低120回の測定となるわけだ。


 ちなみにウチの過去10年の論文を見ると、この方法を使った実験結果は見たことが無い。たぶんだけどタスクインテンシヴの実験をしたがらないんだろうね。代わりに、基質濃度を固定して阻害剤濃度のみを5点ほど振って、酵素活性が下がったから、阻害作用があると言っている。まあ阻害という現象にフォーカスしないんなら、それでいいんだけどね。ただこの場合、阻害様式(competitiveとかuncompetitiveとか)を同定できないし、阻害定数も当然、決定できない。しかし2のテーマは阻害作用を主眼に置いているので、阻害様式や阻害定数の議論は避けられないだろうというのが私見である。


 そして昨日。そのプレリミナリーデータを週間レポートに書いたわけである。そうしたら、まず何でその実験をやる必要があるのか?と問われた。これまでのように基質濃度を固定して阻害剤濃度のみを5点ほど振って、酵素活性が下がったから、阻害作用があるで十分だと。このデータだと速度の阻害しか見ておらず、基質とタンパク質の親和性に関与する阻害作用はまったく見ていないことになる。すなわちもし阻害様式がcompetitiveモードだったりVmaxの阻害剤濃度に対する変異が小さい場合、この実験デザインでは評価できないことになる。そしてワタシが査読するならそこをつくね。ちなみにその実験はすでに済ませてあり、ずいぶん前にデータを提出している。上にも書いたように、論文の主張を阻害作用にフォーカスするなら、それだけだとオレが査読者ならリジェクトすると思う。そしたら、この阻害作用を決めるのに1日で全データを出せないなら、信用に値しないと言い出す始末。言い換えれば120サンプルを1日でヤレである。しかも3点測定はいらない、2点でいい。(それだと80点になるが、統計的標準偏差が意味を成さなくなる)到底、看過できないわけである。


 それ以前になのだが、上述の阻害定数決定の実験を理解していないくさい。各阻害剤濃度共存下でそれぞれのミカエリス定数が決定されるから、その挙動から阻害様式を同定できるといっても、意味がないの一点張りである。それよりも他に言った実験をやれというわけだ。(当然だが、それも平行して進めているし、ストップドフローはまだ同僚が占有中である。)やったことの無い実験なのかね?聞く耳持たないって感じだ。つーか、生化学の基礎の基礎じゃねか!どこまで○ソなんだ!?



 朝早くから夜遅くまで実験している割に、他のヤツらが終わらせられる実験を終わらせられないなんて理解できない、とかいいだしたよ、オイ、コノヤロウ。だいたい、他のヤツらがこのレヴェルでこのクオリティのデータを出しているのかと小一時間問い詰めたいね。他のヤツらのデータとか知らんけどさ、少なくともくっちゃべりながら実験しているやつと比較してのその暴言だからな。データの質は二の次で実験が速ければいいってことかい?その割にはこの3年ほど論文出てませんけどね。


 次にミカエリス定数の決定は37℃で行ったのだが、分光器による解離定数の決定は30℃で行っている。これは以前にボスに温度が違うからマズいんじゃないか?と聞いたんだが、そのときはノットマッチディファレントとか言ってたのでフーンと思ってたわけだ。だか今日になってアップルとオレンジは比較できないでしょ?と言い出す始末。アイトールジュ!だいたいオメーの論文どれみても一定の温度で測定してないじゃねえか。(オートオキシデーションは15℃なのにステディステートは30℃とか、バッファも違ったな)このへんのすり合わせはどうしてたんよ?それに実験的制限とかもあるし、そういうのは無視かい!?というと、その場合は論文でステートメントすればいいと...今は論文の書き方の話じゃねぇえし、そんなこと言われなくてもわかっている。



 そうこう悶着しているうちに、結構時間が経ってきたので、ボスが時計を一瞥する。それを見て、もし予定が詰まっていたらすまないと社交辞令を言うと、この議論が私の時間をムダにしているという始末だ。まあ売り言葉に買い言葉なのかもしれないが、PIが言う言葉じゃねーな。だいたい、オメーがディスカッションを吹っかけてきたんだろうが。



 まあとにかくこの実験はやめろで結論。さらにもう2年半になるのに未だに実験手法がわかってないだのと言い出す。オイオイ、オマイが雇ってきたポスドクどもがどれだけプアなのかわかっているのか?楽な実験しかしないし、研究の意義とかまったく考えてなくて実験してるぞ。そもそも、オレのこれまでの経験をディスる資格はオマイにあるのか?阻害定数の意味とか考えるの放棄しているくせに。いい加減アタマにきていたんだが、なるべく落ち着く。「オレのやったこと、信用無いんなら、それはそれでイイッすよ。」とかろうじて搾り出すと、さすがにマズいと思ったのか、そうは言ってないとエクスキューズを言い出した。まあいいんだよ、もうナニ言われようとも。もう、アンタとオレの進む道は全く交わることはないからね。



 さて怒りも最高潮に達していたが、なんとか我慢していると、今度は質量分析のサンプル返却について話し始めた。まあこれもぶっちゃけどうでもいいんだが、サンプルと一緒に渡した標準物質が全部使い切られたことを気にしている様子。そんなのしらねーし。標準物質は自前で合成したから貴重なんだとさ。そんなもんいくらでも作ってやるよ。(合成法見たら、塩酸化物と一級アミンを反応させた後に水素化アルミニウムリチウムで還元ってしょっぱい合成だわ。同僚は空気中で作ったとか言ってたが、無知ってこえぇな。下手したら爆発するぜ。)先方を弁護するために、一応、HPLCの分離能を上げるために条件を煮詰めたんじゃね?と言っておいた。それでも納得してない様子。たぶんだけど、ウチのボス、実験の経験がかなり乏しいんだろうな。ここアメリカのファカルティの弊害でもあるが...


 つぎにすでに116回目に達する週間レポートについて。そこだけはナゼか褒める。もうベタ褒め。ワタシのライティングがボスのなかで基準値以上なのだろう。つーか他のポスドク(全部、外国人だし)のレポートを読んだことが無いから知らんが、よっぽどヒドいのかね?


 最後にジョブハンティングの進捗について聞かれた。いいかげん、これってハラスメントじゃね?と思うんだが。


 解放されたときにはちょっと疲れ果ててボーっとしてたが...帰宅途中に怒りがこみ上げてきました。そのおかげで昨夜は眠れなかった。この日の怒りを忘れないように、ここに記しておく。



FC2blog テーマ:自然科学 - ジャンル:学問・文化・芸術

【2014/02/12 09:52】 | 研究
トラックバック(0) |
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。