米国けんきゅうにっき 愚者のダンス
学位取得後、研究者として米国へ。このさきどのようなことが待ち受けているのでしょうか?
 昨日の朝、バス亭でバスを待っている最中にはらわたが煮えくり返りながら(前エントリ参照)地面を見ていると、あらクォーターコインが落ちていた。ちょっと感じた幸せである。


 さていつもバスで帰りが一緒の同僚も、ワタシ同様、ラボの(というかボスによる)現状にキレまくっている。彼はすでにここに4年いるが、ここから論文は一報も出ていない。別にデータが無いわけではない。つーか2,3報分はあるんじゃないかね?彼もワタシと同様の仕打ちをボスから受けているわけだ(たとえば、我々がデザインした実験をダメだししまくって進めさせず、代わりにステュ○ッドな実験をさせるとか。)そんな彼も昨日も言ってたが、彼のビザが今年切れるので、ココでの契約は更新せずに自分の国に帰るそうだ。


 別の同僚はワタシがこのグループに参加してから、ずっとおんなじようなデータをグループミーティングで示し続けている。2年半前の時点ですでに投稿できる状態に見えたんだが、ハテ?たぶんだけどボスがあれやり~な、これやり~なと言って食い散らかしているから、収拾がつかなくなっているんだろう。まあそんなわけで彼もまた3年くらい論文が出ていないことになるね(共著は除く。コラボが多いからね、このラボは。といってもタンパク質の供給源ってだけだけど。これがグラントをディフェンスできている理由なんだそうだが、個人的には全く納得いってない。)


 ある別の同僚ももう6年ほど論文がない。彼女はここに在籍してすでに7年目だろうか?ここが最初のポスドクだったらしく、基本的に今でもあんまり自立していない。もともとはものすごい膨大な数の変異型タンパク質の触媒反応をスクリーニングしてあるアミノ酸残基の重要性を確認していたのだが、あまりに膨大な数の変異型のおかげでデータが収束せず結論が得られなかった。だったら、データを取捨選択すりゃいいんだが、ボスが全データを1つの論文に詰め込みたがっているため、この草稿も破綻している。今は代わりにP450の中間体をEPRで同定することに駆り出されているカンジだが、正直言って実験プランにムリがありすぎる(まずその実験条件だと本当にシビアだし、フリーズクエンチをClevelandでやってEPRの測定をChicagoでやってなんて言ってますョ...)ので、これも近いうちにグデグデだろう。



 ワタシより後に参加した同僚は装置が立て続けに壊れ続けたので、その修理やらに駆り出されていた。なんだかこま使いだな。だから未だにサイエンスのサの字にすらたどり着いていない。すこし気の毒である。


 一番、ここでうまくいっている同僚だが、彼女の論文は一度リジェクトされた。理由が"長すぎ"だ。基本的にウチのボスはポスドクが書いたドラフトをたたき上げにして論文を書かない。一度、ドラフトを読んでから、一から新たに書き直すのだ。だから冗長になったのは同僚のせいではなく、明らかにボスに問題がある。それでもデータを削るとか議論をもっと簡潔にまとめる、言葉使いを簡便にするとかといった努力は見られないらしいから、再投稿も望み薄だろう。



 さてずいぶん前なんだが、ボスとディスカッションしていたとき、彼女の机(ぜんぜん整理整頓されておらず、書類が山のように積み重ねられている)の上のある書類の山の奥のほうから、あるドラフトを取り出してきた。どうやら6年前にすでにここに居ないポスドクによって書かれたモノらしいが、未だに一度も投稿されずにコヤシになっている。


 まあこんな風に、悲惨の一言だな。ところでワタシがここに来て3ヶ月ほどして、移っていった女性がいる。彼女はすでにヨソで1報稼いでいるとか。彼女はここで2年間過ごしたらしいが、やはりその2年間に論文はナシだった。うん、英断である。



FC2blog テーマ:アメリカ生活 - ジャンル:海外情報

【2014/02/13 08:41】 | 研究
トラックバック(0) |
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック